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熊本・大分(九州中部)地震 記録簿  作者: あまやま 想
4月16日(土) 揺れに始まり、揺れに終わる苦悩の一日
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4月16日(土) その1

 未明の1時25分、これまで落ち着いていた大地が突然息を吹き返し、14日の本震を超える規模の激しい縦揺れと横揺れが熊本を襲った。


 3分ぐらいは強いゆれが続いただろうか…。揺れがようやく収まろうとすると、他の震源からの地震が始まるので、地震は収まる事無く続く。大きな地震に誘発される形でたくさんの小さな余震が引き起こされる。


 さらに、1時30分と44分と45分の3回も、かなり大きな余震が起きた。そのため、ベッドから起き上がる事もできない。このまま、家が崩れたら、きっとロフトの上から突き落とされて死ぬかもしれない…と本気でそう思った。


 ようやく、地震が収まったのは1時50分過ぎであった。それから更に用心して、ゆれが収まってからの五分間はベッドで待機する。


 55分、ようやくベッドから起き上がる。これはただ事ではない。何しろ20分ほど揺れ続けたのだから、が先ほどまであれほど眠かったはずなのに、驚きのあまり、すっかり目が冴えてしまっている。


 あれっ、電気が付かない…。どうやら、停電したようだ。諦めて、スマホの光と自転車の携帯ライトで部屋を照らしながら、外に出られる格好に着替える。とりあえず、父と母の実家に行き、互い安否を確認しなくては…。


 外に出ると、外も停電していた。異様に明るく輝く星空が恨めしかった。星空は贅沢でたまに山奥の星空を見るからいいのであって、電気が消えた町で見る美しい星空には何の魅力を感じる事はなかった。


 それどころか、家族や親戚の安否確認のためにそれぞれが車や自転車で移動を始めている。真夜中の2時過ぎにこれだけ物や人があふれているなんて、前代未聞である。


 街灯がついてない町は恐ろしいほど暗い。時折通過する車のヘッドライトだけが頼りである。


 真っ暗闇の中では、自転車の携帯ライトではあまりにも心もとない。足下には倒れた外壁や屋根から落ちた瓦などが至る所に散乱しているから、用心しながらでないと先に進めない。


 少しでも気を抜こうものなら、破片を踏んで自転車がパンクしてしまう。それに、停電のため信号が付かないので、大きな道路を通るときは細心の注意が必要だった。

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