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熊本・大分(九州中部)地震 記録簿  作者: あまやま 想
1月22日(日) 車中泊について考える
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1月22日(日) その1

 ああ、万事休す。タイヤが雪にとられて、車が動かなくなってしまった。九州だから雪が降っても大した事ない…と高をくくっていたのがいけなかった。


 山道で降り出した雪はアッと言う間に降り積もり、ノーマルタイヤでは動けなくなる。思い切ってスタットレスにするとか、せめてチェーンを買うかするべきだった。


結局、JAFのお世話になり、近くの道の駅まで車を運んでもらう事になった。道の駅横のガソリンスタンドではチェーンも扱っているので、そこでチェーンを買ってから帰るように勧められる。


 しかし、スタンドは18時閉店で既に閉まっていた。つまり、ここで一晩明かさないといけない訳だ。ノーマルタイヤで下手に動くよりも安全だろう。震災以来の車中泊となった。


 道の駅も閉まっているが、幸いにもトイレだけは開いている。雪が降り続く中のアイドリングは排気口が埋まった際が危険なので、起きている間はトイレで過ごした。


 トイレは電気も使えるし、携帯の電波も入るのも有り難かった。おかげで久々にいろんな方と連絡取れたし、またスマホゲームで時間をつぶせる。


 震災時も電気がすぐに復旧したおかけで携帯が使えた。そのおかけで配給や炊き出し、給水スポットなどの有意義な情報を知る事ができた。今や非常時に情報機器が使えるかどうかで、非常時の生活の質が変わると言っても過言ではないだろう。


 やがて、睡魔も限界を迎え、意を決して車へ戻る。幸いにも雪が止んでいた。これで雪で車が埋もれる心配がなくなる。


 空を見上げると、雲1つなく星がとてもきれいである。一方で、それは放射冷却で一層冷え込む事を意味する。念のため、排気口周りの雪かきを行った後、アイドリングして車内を温める。


 そう言えば、震災の時期は4月であり、車内にいればアイドリングしなくても十分過ごせた。厳寒期にはそのような訳にもいかない。人にもよるだろうが、エンジン音と振動は寝ようとする際には意外と気になるものだ。


 そこで車内が温まったら、エンジンを切って眠りにつく。しばらくすると車内が冷えて、寒さで目覚める。また、エンジンをかける…の繰り返しで朝までやり過ごした。

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