12月29日(木)
早いもので4月14日の前震、16日の本震から8ヶ月が経つ。すっかり日常を取り戻し、年末の慌ただしさから気付いたら2016年もあと2日を残すだけとなってしまった。熊本の人々にとって、熊本地震に振り回された1年…。
しかし、震災からの復旧・復興が進むに連れて、被災状況による距離感が広がるばかりだ。震災当初はみんなが手を取り合って避難所などで協力し合って乗り越えてきたのに、今となっては家を失った人と家の修理を終えた人、仮住まいの人、どこにも行けずに壊れた家に住み続ける人がモザイク状に暮らしている。
また、土地の液状化や断層のずれなどによって、建物を建てたり、農作業ができなくなったりしている人もいる。それだけでも違うのに、さらに震災前と変わらず仕事を続けている人、仕事を失った人、転職を余儀なくされた人、震災によるケガや病気に苦しむ人…例を挙げればきりがない。それぐらい距離感が広がってしまった。
震災前ならこんな事気にもならなかったけど、今さら震災前のよそよそしい日常に戻るのも何か違う気がする。
しかし、日常に戻ると言う事はこう言う事なのかもしれない。何か違う気もするけど、代わりの世界を提案できるほどのアイデアもなければ、実力もない。結局、何かしらの違和感を感じながらも、震災前の日常へ戻ったふりをするしかない。
2016年は熊本地震以外にも大きな地震が多くて、地震が起こるたびに地震の事を思い出さずいられなかった。
昨日、28日(水)21時38分頃に茨城県で最大震度6弱のM6.3の東日本大震災の余震が発生した。もうすでに東日本大震災から5年半も経つのに未だにこんな大きな余震が起こるとは…。しかも、先月も11月22日(火)に福島県沖でM7.4の大きな余震が起きたばかりで、未だに地層のひずみが解消されていない現実がある。
また、10月21日(金)の鳥取県中部地震は熊本地震から半年が経ちようやく余震が収まっていただけにショックが大きかった。熊本においては8月31日(水)以降は震度5弱以上の強い余震は観測されていないし、余震の回数も9月以降はほとんど観測されていない。このまま収縮してくれればと願わずにいられない。
東日本大震災や鳥取県中部地震においても、1日も早い収縮を遠くより祈願する。そして、来年2017年こそは地震の無い1年であってほしい。まあ、そうは言っても相手は自然なので願ったところで揺れるときは揺れるだろう。
備えあれば憂い無し。過去の震災より様々なケースを想定するためにも、年に一度は震災について考える日を設けたらどうだろうか。例えば、南関東では関東大震災にちなんで9月1日を防災の日としている。
これに習って、それぞれの地方で防災の日を設けるのだ。阪神なら1月17日、東北なら3月11日、九州なら4月16日などと各地域で防災意識を高めやすい日に防災について考える。そうすれば、常に日本のどこかで防災について考えるので、マスコミも定期的に震災を取りあげ得ないだろう。
そうすれば、みんなで防災を共有できるのではないか。人任せでない主体的な防災。これこそが熊本地震から得られた私なりの教訓である。




