5月21日(土) その1
今週の火曜、5月17日は実に変な一日だった。何でも「未来人」が17日に地震を予言していたようである。
そのせいか、近所の子ども達が
「17日、また地震来るらしいばい!」
「何で?」
「お前、知らんとや…。未来人が17日に来るとばい」
「マジで? あの、4月15日に来た奴?」
「そう、あいつのせいで4月に2回も震度7の地震が来たけんね…」
「そうつたい。だったら、また震度7?」
「それは分からん…」
おいおい、マジかよ。これが無邪気な子どもの会話なのか…。まあ、あれだけの地震を体験した後だ。予言にすがりつきたくなるのも分かる。しかも、偶然か意図的なものか分からないが、未来人の予言はそれなりに当たっているのだ。これがいけない。
職場でも休憩時間は未来人の予言で持ち切りだ。何を言っているのだ…と傍観を決め込みながらも、チラチラと聞き耳を立てる者。積極的に情報収集をする者。ひたすら相づちを打つ者。
しかし、真っ向から否定する者は誰もいなかった。あの地震を体験した今、誰一人として未来人の予言を否定できる人はいない…。
どうして、否定できようか。個人的な主観として、そんなのは馬鹿らしいと思っていても、予言にすがりついて何とか自分を保とうとしている人を否定できるはずがないのだ。
さらに5月16日21時23分に茨城県小美玉市で最大震度5弱の地震が起きたものだから、それが3回目の震度7が来るのでは…と恐怖を駆り立てるのに充分過ぎる。
冷静に考えれば、茨城での地震が起きた事であちらでも大惨事が起きる可能性があった。しかし、今の熊本でそのような事を考える余裕は申し訳ないがほぼないと言わざるを得ない。
また、地質学から考えれば、いくら何でもM7クラスの地震が連日のように起こるほどのエネルギーはさすがに無いだろうと願いたい。しかし、熊本地震ではわずか27時間で2回も震度7が2回も起きているから、もうあらゆる法則も当てにならないかもしれないな…。
だから、老いも若きも男も女も、未来人の予言にすがりついてしまうんだろう。私はもともと、そのような予言のたぐいは信じない人間だが、震災の後はこれまでの常識が通用しないのでは…と思う事が増えた。デマや流言のたぐいも思わず真に受けてしまう事がある。実に恐ろしい事だ。




