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熊本・大分(九州中部)地震 記録簿  作者: あまやま 想
4月15日(金) 束の間の休息
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4月15日(金) その1

 昨晩の地震は益城町で震度7、熊本市東区で震度6強を観測した。益城町は中学まで過ごした場所であり、熊本市東区は私が今住んでいる場所である。


 子どもの時、過ごした町なのに…。テレビには変わり果てた姿が映し出されていた。私はただ、言葉を失う…。


 この日は朝から職場の片付けをする事になっていたので、いつもと違ったジャージ姿で出社の準備をしていた。すると、親父から電話が…


「タンスも、食器棚も、テレビも、全てひっくり返ってしまった。お願いだから、早めに手伝いにきて欲しい!」


 ああ、勝手なことばかり言いやがって…。職場の片付けがあるので休めないことを説明して、電話を切る。親父は昔から相手の事などおかまい無しで、始末に負えない。さあ、気を取り直して、仕事へ行こう!


 …と思ったら、職場からの電話が…。電話に出ると、まだ余震が収まらず危険であるため、土曜まで臨時休業にすると連絡が来た。思いもよらぬ臨時休業に私は思わず喜んでしまった。これで心置きなく、家の片付けができる。


 家に物を置かないようにしていたおかげで、タンスや食器棚がひっくり返る事は無かった。仕事が忙し過ぎて、これまで家の片付けを全くしていない…。最後に掃除したのが、いつか思い出せないほどだ。そのため、部屋の中は脱ぎ散らかした服などのせいで、ホコリまみれである。これを片付けてから、天気が良かったので布団を干す。


 すると、親父から再度電話があり、テレビだけでも元に戻すのを手伝いにきて欲しいと連絡があった。もう、面倒なので一気に片付けてしまおう。どうせ、仕事休みだし…。


 家に着くと、想像を超えた世界が広がっていた。食器棚は二段組みの上部がきれいにひっくり返っている。


 それにつられるように下部も前のめりになり、ひっくり返った上部に引っかかっているではないか…。そして、その衝撃で割れたお皿が30枚ほどあり、大変危険だった。


 まず、前のめりになった食器棚の下部を父と二人で起こす。それから、割れたお皿を新聞紙にくるむ。


 割れた量が半端ないので、似たようなお皿を4〜5枚まとめて、新聞紙に包んでいく。包んだ物を父がガムテープで固定して、燃えないゴミ専用袋へ入れていく。


 慌てると危ないので、慎重に進めていく。全ての破片を拾ったところで念入りに掃除機をかけて、二次災害を防ぐ。片付けに1時間半かかった。

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