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熊本・大分(九州中部)地震 記録簿  作者: あまやま 想
4月24日(日) 大地震で狂った人生
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4月24日(日) その3

 今、仕事を辞めても路頭に迷う事が目に見えている。帰り道、これからの人生についてどうすればいいのか、ただぼんやりと考えていた。


 一方で、被災地では未だに行き渡らないで困っている人がいるとか、災害ボランティアが優しさの押し売りに来て「感動ポルノ」化しているとかのニュースをにぎわせていた。


 同じ被災地でもうまいこと復旧へ向かいつつある所もあれば、未だに食料や水も満足に得られない所もある。


 ボランティアがとにかく必要で感謝されている地域もあれば、ボランティアが独りよがりの善意を押し付けてしまい被災者をかえって困らせた地域もある。


 人の弱みに付け込んで、泥棒とか女性暴行などを行う輩は論外であるが、ただ日常を取り戻すお手伝いをしたいと思い、支援物資を送ったり、ボランティアをされたりしている人々を思うと複雑な心境だ。


 被災地の事を思い、日本はもとより、それこそ世界中が動いている。熊本・大分地震とほぼ時を同じくして、エクアドル時間4月16日18時58分(日本時間17日8時58分)にエクアドル地震も起きているので、世界の関心は熊本とエクアドルに二分されている。


 もちろん、日本においては熊本への関心が厚い。もし、被災してなければ、私も熊本・大分とエクアドルの事を客観的に見られたに違いない。しかし、被災すると熊本・大分の事が全てであり、この日までエクアドルでも大地震が起きた事を知ってはいたものの、それどころではなかった。


 この日も、水道の水はかろうじて出るものの、まだ濁っている。とても料理はできそうにない。止むを得ず、近くの避難所へ行って、支援物資をもらいに行った。


 昼間はようやく店も開くようになってきたが、まだ夕方には閉店してしまう。コンビニでさえ、やっと24時間営業を再開するようになり始めたところである。


 それにしても、実際に被災するまでは食料を手に入れるのにこんなに苦労するなんて思いもしなかった。14日(木)の最初の震災から10日も経つのに、未だに支援物資のおかげでどうにか生き延びているような状況だ。


 こんな状況でも、生活のためには仕事をしないといけないし、生活再建のために立ち上がらないといけない。そう考えるとあまりの重さに押しつぶされそうだ。さて、どうしたものだろうか…。こうして、また一日が過ぎて行く。

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