4月23日(土) その2
ところが、共用スペースは仕事机がある場所よりもすごい事になっていた。段ボールや商品、書類がごちゃ混ぜになっているし、棚や柵がきれいにひっくり返っている。これは一人では手をつけられそうにない。
まあ、一人でもできる書類や商品の整理をぼちぼちやっていくしか無いだろう。結局、この日は教養スペースの片付けは全く進まない状態で一日を終えてしまった。
普段、使わない体を酷使したせいか、何も進んでいないのに、疲労感だけは半端ない…。
夜は熊本市東区にある錦ヶ丘公園へ向かった。こちらには自衛隊が設置した仮設風呂があるとの事。
錦ヶ丘公園に着くと健軍川沿いのグランド横に男風呂と女風呂がそれぞれ設営されていた。自衛官の方に挨拶をしてから、恐る恐るテントで設営された風呂の中に入ると、そこには立派な脱衣所と大きな浴槽があった。
人数にして10人程度は余裕で入りそうな規模である。しかも、タオル、シャンプー、ボディーソープの貸し出しまでしてくれる充実ぶりだ。
その上、常時自衛官が風呂場周辺や脱衣所などを巡回しており、水温もこまめに確認してくれていた。本当に頭が下がる思いであった。
これはまだ都市ガスや水道が復旧してなくて、なかなか風呂に入れない人々にとって本当に有り難い。我が家もまだ水の供給が不安定だし、ガスが復旧していないので、仮設風呂に入れるのは本当に助かる。
震災以来、久々に湯船でのんびりできたような気がする。風呂にゆっくりつかるだけでも14日の震災以来の疲れが癒される。
風呂から出ると、自衛官の方々に「ありがとうございました!」と挨拶をしてから錦ヶ丘公園を後にする。
それにしても、自衛隊の方々には感謝の気持ちで一杯である。物資の補給を始め、水や食料などの支援物資の配給、仮設風呂の設営や管理、治安維持のためのパトロールなど被災地での活動は多岐にわたるだろう。
本当に感謝の気持ちで一杯である。自衛隊の存在があるからこそ、被災地は何とか持っている部分もあるに違いない。
東日本大震災の際も自衛隊の活躍ぶりをニュースなどで伺っていた。実際に自分たちが被災してみて、改めて自衛隊の存在の大きさを思い知らされた。
物資調達で米軍も協力してくれており、熊本空港が使えない間は滑走路を使わなくても離着陸可能なオスプレイが大活躍していた。
それなのに、オスプレイが利用された件を、政争の具に使った政治家や政党がいたのは実に残念なことだ。
本当に被災地や被災者の目線に立って、行動しているのは誰なのだろう…。実際に被災してみて、見えてくるものを記憶の新しいうちに記憶する。
そうする事で落ち着いてから、マスコミや政治家などによる都合のいい記録の改ざんを防ぐ事につながる。




