4月23日(土) その1
朝起きてから、水道の蛇口をひねる。まだ、水は濁っているが、水が出る事が本当に有り難かった。しかも、風呂場にも水をためている。これならもう水汲みは必要ないかもしれない。そのことだけですごく嬉しかった。
その後、気を取り直して職場へ行く準備をする。片付けをするために、この日は動きやすい服装で職場へ行く。
それにしても、スーツ以外の格好で職場へ向かうのはずいぶん新鮮である。まあ、あれだけ大きい地震があったと言うのに、こんなに早く仕事が再開できると言うのは有り難いことである。中には震災で倒産や失業を余儀なくされた人もたくさんいるのだから…。
職場に着くと、2度の地震によって散らかったままである。18日(月)に更なる被害防止のための掃除は行ったが、それは高い所にある棚を下ろしたり給湯室で割れたコップや湯飲みを片付けたりする程度のものである。
まずは自分の机周りをきれいにする。それにしても机の周りに「もしかしたら使うかも…」と思って取っていた書類が実に多い。これを機にもう使わない書類は全てシュレッダーにかけようとした。
しかし、みんな考える事は同じでシュレッダーには行列ができている。後でシュレッダーをかけるべく、空いた段ボールに不要な紙をどんどん詰め込んで行った。
昼になり、休憩の時間となった。2回の大きな地震でぐちゃぐちゃになった分はそう簡単に片付かない。昼からも引き続き、重い荷物を運んだり、荷物を捨てたりしないといけないのだ。
そう考えると、昼食をのんびりと食べたいのだが、シュレッダーがこの時間しか空きそうにない。そこで昼食を急いでかき込んで、シュレッダーにいらない書類を集中的に処理する。これはいい。
やはり、人と同じ事をやっていても片付けは進まない。いかなる時も人と同じ事をやっていては、優位には立てないのだ。こう言うときこそ、奇をてらう事や意表をつく事で打開される事もたくさんある。
おかげで昼の休憩後はシュレッダーの順番を気にする事無く、自分のペースで片付けを進める事ができた。そして、誰よりも早く自分の片付けを終えたので、共用部分の片付けに取りかかる。
共用部分の片付けは明日からの予定であったが、少しでも早く取りかかれるなら、それに越した事はない。




