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熊本・大分(九州中部)地震 記録簿  作者: あまやま 想
4月20日(水) 買い出しと濁った水道水
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4月20日(水) その2

 それが分かっているから、南関や菊水辺りで高速を降りる人も多い。しかし、県外の方や植木近辺で用事がある人はどうしても、植木で降りるしかない。


 やっとの思いで植木の目的地へ着いた後、差し入れを手渡す。それから、次の目的地である益城へと向かった。


 3号線北バイバスは八代へ向かう車で大渋滞のため、北バイバスを使わない道で、益城へと向かう。


 植木から合志を経由して、熊本市へ入るルートも混んでいたが、北バイバスの混み具合よりはずいぶんマシであった。


 そこから益城へ向かう道は路面が悪くなっているものの、ほとんど渋滞してなかった。


 しかし、益城の中心部である惣領や安永辺りは道路もひび割れがひどくずっと徐行運転でないと運転ができない。家も屋根だけ残して、2階以下がつぶれて屋根しか無い家がが多数ある。生まれ育った町の惨状に言葉を失った。


 夕方、秋津川の河川敷近くにある友人宅に数台の車が集まる。ここで私が福岡から買ってきたかわいいマスコットの入ったパウチパックのゼリー、日持ちのいい美味しいパン、水をかければ食べる事ができるアルファー米、レンジでチンするだけ食べられるパック米などをそれぞれの希望者へ配る。


 集まった者の一人が

「福岡まで行っているから、高速代金や燃料代もかかっているでしょう。品物の代金にプラスして実費請求して欲しい」

と言うので、それは固く断った。


 今回は私が自主的に動いて行ったことである。ここで代金をもらってしまうとボランティアとして動いた意味がなくなってしまう。ゆえにお金の受け取りを断った。


 代わりに

「何か困った事があれば助けてくれたらいい」と言うと渋々であったが、今回はお金を受け取らない事を納得した模様だ。


 それから30分程度であったが、それぞれの近況と今後についての確認をする。それから、昔からの友人と言う事もあり、雑談も少しした。親になろうとも同級生は昔のまま何一つ変わっていなくてよかった。


 一番変わったのは街並である。かつてあったはずの家は崩れ、道路は大きくひび割れていた。はたして、この自然のいたずらに負けることなく、益城町は震災前の状態まで復興できるのだろうか…。

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