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熊本・大分(九州中部)地震 記録簿  作者: あまやま 想
4月20日(水) 買い出しと濁った水道水
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4月20日(水) その1

 朝、水汲みしなくていいのは有り難い。福岡の知人宅で迎えた朝…。福岡ではいつもと同じ朝を迎えていた。


 福岡も結構揺れたようだが、日常生活には全く支障は出ていない。福岡市と熊本市は直線距離で約百キロ離れているのだから…。


 その後、知人が職場へ向かうのに合わせて、私も福岡を出発する。知人から支援物資ももらったので、個別に受けた希望の品を買い足す程度ですみそうである。このような支えや思いに、今の被災地は支えられている。


 しばらくは高速に乗らずに3号線を南下する。道中で大きな総合スーパーを見つけたので、そこで買い物をする。独身ゆえに普段はその日必要な分しか買わないので、買い出しはかえって新鮮だ。


 すでに注文を受けている分に加えて、スーパーに着いてから再度ライングループで欲しいものがないか確認した。少しずつ再開している店もあるが、まだ開いていない店も多く、買い物もろくにできない状態だ。


 必要な物は避難所に行って、分けてもらう生活が続いていた。被災地でどれだけ現金を持っていても、使える場所がほとんどないのが現状である。


 小さな子どもがいる家庭にはかわいいマスコットの入ったパウチパックのゼリーを、火が使えない家庭には日持ちのいい美味しいパンを買った。


 他にも水をかければ食べる事ができるアルファー米、レンジでチンするだけ食べられるパック米などを買い込む。


 大地震でいつも通りのご飯は食べられなくても、可能な限りいつも通りに近い食事をしたい。これは被災地の切なる思いである。


 全員の希望の品を全て買い込んだところ、それだけで6千円近くの買い物になる。思ったよりもお金がかかったが、これでみんなの笑顔が見られるなら安いものだ。


 せめて、食べているときだけでも震災の事を忘れていたい…。大人はそう言う訳にもいかないだろうけど、子どもには幾分か楽をさせてあげたい。こちらもそう言う事を考えてながら、買い出しするのは気分がいい。


 買い出しに思ったより時間がかかったので、高速を使って植木まで向かう。まだ植木〜八代が使えないので、こうするより仕方が無い。思ったより高速は空いていて、植木まではすいすい進んだ。


 ところが案の定、植木インターを降りてから国道3号線が大渋滞である。もともと、植木インターからこんなにたくさんの車が降りる事は想定されていない。


 そのため、3号線は片側1車線しかない。そこに片側2車線分の車が流れ込むのだから仕方ない。

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