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夢 ~victory or loss~  作者: Miyuzu
3/3

うたひめ

「ママ!私お歌うたうのすき!

アイドルのまおちゃんみたいになりたい!」


「頑張れ。ママは応援するよ。」


「ありがとうっ!ママのためにアイドルになる!

そしたら私のコンサート来てね!」


はっ…―――!?

バサッ


「夢か…。」


何で昔の事なんか…。昨日あんなことがあったからか…。

嫌なこと思い出しちゃったなぁ。

何がアイドルよ。なれっこないのに。


初音(はつね)!朝だよー!」


わかってるっての…。


「起きてる。」


カンナに会うの…気まずいな…。


「朝ごはんはしっかり食べて体力付けないと、

キレイな歌声が出せないよ。」


「だから歌なんてどうでもいいの

お母さんはしつこいんだよ。いってきます」


「ちょっ…」


バタン…。


「初音~?おはよ」


「…カンナおはよ」


「元気ないね。朝ごはん食べた?」


「…先行く…」


カンナにもあんな態度とっちゃった。

嫌われてもしょうがないよ。


「あ~♪あああ~♪」


これは…誰の歌声?

すごくきれい…。なんだか…体が引き寄せられる…。

私の体は屋上へと向かう。


「あなたは誰!?」


「…おはようございます?」


「…あなたは?」


「あ、上島(かみしま)歌奈(うたな)です。

1年生です。2年生ですよね?センパイ」


「今のうたは歌奈さんなの?」


「はい!歌うのが昔から好きで…。合唱部に入ってます」


「素敵な歌声だった…。」


今の私の心に響く歌声…。心ふるえる。


「ありがとうございますッ」


「か、歌手になりたいとかある?」


「ありません…。

どうせなろうとしたところで親に反対されるし…。

店は誰が継ぐんだって怒られちゃいますしね。」


「お店やってるの?」


「はい。ひぃおじいちゃんからの代で、

兄弟もいないから、お母さんたちが50になったら

私が継ぐことになっています。

でも歌いたい。歌って居たいって思って…。

学校で歌ってるんです。50になるまでにあと4年。

大学もいけないんです。」


「そ、そうなの…。

私は歌手になりたくて必死に努力して

オーディションも受けてきた。

でも…受かることなんてなくて、

書類審査はとおっても歌の審査で落ちる…。

私には歌の才能がないんだって…。そう思い始めたの」


…初対面の後輩に何言ってんだろう…。


「先輩!歌って!」


「えっ!」


「歌ってください!

歌手になりたい、っていう思いを込めて!」


「……あ…あ~♪

ああああ♪あああああ♪」


なんか声が出る!

私は歌手になりたい!歌うのが大好き!


「今の先輩ならオーディション受かりますよ!

先輩に足りないのは気持ち。

歌に込める気持ち。それが大事ですよ」


…もっかいがんばってみようかな。







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