不思議な出会い
ふわふわと、まるで綿の上で寝ているかのような気持ちよさに溺れる。
ゆっくりと目を開けると突き通ってくる光が眩しく、また素早く瞼を閉じる。
ようやく慣れ、何事かと辺りを見渡していれば僕の肩を誰かに叩かれた。
「キミダレ?」
振り返るとそこには白髪に白髪の外人の年寄りがいて、僕にそう訪ねてきたのだった。
「いやあなたこそ誰ですか」
「神様だメーン」
「…」
「ここは天国だメーン」
「…夢だ、きっとそうだ」
「こんなところで私がつまらない冗談なんて言わないヨ」
僕は本当に死んでしまったのか?
この人は頭大丈夫か?
「で、キミダレ?」
「す、鈴木…です」
「…鈴木くんね、今調べるからマッテネ」
そう言うとポケットから手帳を取り出し何かをじっと見ている。
「…鈴木くん今死んじゃ駄目ダヨ…」
「いや、僕も死にたくて死んだわけではないんで…」
「キミは本来68年後に死ななければいけないの、分かる?」
「68年後…85歳で死ぬはずだったのか」
「ひとりひとり死ぬ日付?生きる期限?っていうのが割り振られてサ、それは絶対に守ってもらわないといけないワケヨ」
「はあ」
「要するにキミアウト、人生変えてでもいいからそこで死んじゃイケナイ、やり直してもらうからネ」
「ってことは生き返れるんですか!?」
自称神様は面倒そうな顔をしながらも頷いた。
「そういうことダネ、とりあえずキミが死ぬことになっちゃったきっかけからやり直してもらうからそこら辺なんか教えて」
「…パンツ」
「…は?」
「パンツだよ!美咲ちゃんのパンツを見れなかったあの日から僕は死ぬ運命になってしまったんだ」
目を見開いて見つめる自称神様の気持ちも分からなくはない、しかし僕は真剣に言っているのだ。
彼女のパンツが僕の人生をガラリと変えてしまったんだ。
見てろよ、苺パンツ。
覚悟して待っていろ、僕は本気だ。
「…パンツが原因で死ぬキミがよくワカラナイサー」