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プロローグ
遠い遠い昔。これは伝説として伝えられてきた一族の話である。
その昔、世界には神獣と言われる、神の類の獣が存在していた。
それらの神々の姿を見ることはめったに叶わず、世界の全てをを守っていると信じられ神は奉られ、称えられていた。
そんな神獣の1匹と血を交えた、一人の人間がいた。
その女の名は、リルド。
リルドは世に珍しいたった一人の銀色の瞳を持つ人間であり、人と違う事により人間達に迫害されていたそうだ。
そんなリルドが住処を追われ、ふらふらと辿り着いた先でリルドは神獣に出会う。
今思えばそれは奇跡であり、人間達にとっての悲劇の始まりであったのかもしれない。
神獣はそんなリルドを哀れに思うと同時に、その銀色の瞳にほれ込んだ。
瞳に惚れ込みリルドを守るようになった神獣にリルドは心を許し、またそれに答えるべく神獣はリルドに深く愛を注いだ。
リルドはやがて、神獣との子を腹に身篭る。
その、リルドの子は神獣の血を濃く流しその獣の腕と毛並み、そして力ととリルドの美しい銀色の瞳を持って生まれた。
それが後の、人間にとって脅威となる"リルド"一族の先祖である。