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白雪娘 そのさん!

~回想~


「おいアルト、お主儂と役代われ」

「……はっ?」

「じゃーかーら、儂の小人の役お主がやれと言っとるのじゃ」

「何故役を変わる話になったのか分からないうえ、ものすごい命令口調なんだが……と言うか、それは無理だろう。俺とネリが役を代わったらお前が王子役になるわけだし」

「あー…そう言う細かい所は気にするな。てきとーにその辺の奴に押し付けるのでな」

「……その辺の奴?」

「にゃあ?アードでもレイでも適当な奴でいいじゃろ」

「王子役を?」

「王子役をじゃ」

「…………」

「にゃ、まさかお主なんだかんだで変わりとうないのか?」

「はぁあ!?違う!そんな事は無い!確かに無駄に恥ずかしい台詞ばかりで――」

「あーそう言えば白雪娘はリリアじゃもんなー…」

「あぁもう!変わればいいんだろう!変われば!だからいい加減茶化すのを止めろ!」

「初めから茶化しとる気は無いんじゃがな(と言うかこいつ扱いやすすぎるのぉ……)」


数分後…


「一応変わったが…ところでネリ、お前はなんでそんなに役を変わりたかったんだ?小人役が嫌なのか?」

「んあ?にゃあ…確かにそれもあるが……」

「が?」

「ふっ…今回の話にのあいつが出てると分かったのでな、逃げる事にしたのじゃ……」

「……あいつ?」

「鏡の中から出てこないといいんじゃがなぁ……」



     ※




~回想終了~


「……」

「……あの…リリア……」

「怒ってませんよ?」


マジで!


「あなたは少しくらい反省の色を見せなさい!!」


ぎゃふんっ!!ヒドいよリリアちゃん!今怒ってないって言ったじゃないか!あと回し蹴りは止めて!


「アルトさんを怒っていないと言ったんです!あなたには憤怒の感情しかないですから!」


しか!?オンリーワン!?


「ワーストワンの間違いでしょう」


失敬な!だいたい今回は私関係ないでしょ!全ては秘書がやった事です!もとい、アルトくんとネリちゃんが勝手にやった事だよ!


「そう言われるとそうですが……アルトさんはなんで王子様役をそんな簡単に変わっちゃったんですか」

「いや…と言うよりみんながみんな俺を押す理由が分からないんだが……」

「?みなさんがアルトさんを押す理由は色々だと思いますが…私はアルトさんがよかったからですよ」


あ……


「――っ!?あっ…そ、そうか……」


うわぁー……天然って本当にたち悪いもんだね、リリアちゃん。アルトくんに同情心すら湧くよ。


「いや、なんの事ですか?」


いや、べっつにー?


「?あの…アルトさん?」

「い、いや、何でもない!何でもないから!!」

「何が!?」


アルトくんが王子様役やってもこの2人じゃぐだぐだになっただろうなー


「あぁ!これがいわゆる夫婦喧嘩なのですか!」

夫婦めおと漫才の方が正しいんじゃないですか?ルウちゃん様」

「ご主人…じゃなかった、白雪娘さんは大丈夫でしょうか……」

「どうでもいいけど昼飯は?」

「この状況で食事の心配が出来るお前はバカを通り越してアホだな」

「うるさい!うるサイ!」

「イアくん、興奮しすぎてレベルの低いギャグになっちゃってるよ……」

「細かい事は気にすんなミリー」


うっわ、人数多いと語るのめんどくさ!


「仕事しろ」


すいまっせんでした!!ワタクシメガワルカッタデス!

だから首を掴むの止めて!死んじゃうよ!ギャグ回じゃなかったら今頃窒息死だから!


「なんなら今すぐシリアスパートに入ってみせましょうか?」


ねぇなんでキャラクターのリリアちゃんがパートの切り替えが自由自在なのかな!?説明ぷりーず!切実に!!


『名乗り遅れましたが、私は白雪娘と言います。分け合ってここまで迷い込んで来たんです』

『ふむふむなのです。それは大変でしたのでしょうです』

「うっわぁースルーだー……」


もうヤダ!このサドスティック白雪娘!リリアちゃんなんて毒りんご食べて死んじゃえばいいんだよ!


「お話的にその予定ですが?」

『分かりました。そう言う事情ならこのお家に住むといいのですよ』

『そうですね、それがいいです。よろしくお願いします、お姉さん…じゃなかった…白雪娘さん』

『うん、よろしくねミリーちゃん』


えーかくして白雪娘は小人さん(約1名を除く)のお家に転がりこんだのでした。と言うか、ヒモ?これってヒモになるのリリアちゃん?


「五月蝿い」




     ※




さてさて、ちょうどそれと同時刻。白雪娘の継母である女王様は白雪娘がいなくなった知らせを聞いていた所でした。


「気持ち悪い」

「……いやさぁ、多分これ役的に一番辛いのって俺だと思うんだよねぇ。何が悲しくて内臓箱詰めしなきゃなんないのって話しだし」

「知るか、そもそもなんで内臓なんだ。他にもっといい部分があるだろうに……」

「それはそこの語り部せいにしといてください」


ねぇ、エルの出番は前々回に終了したはずなんだけど。


「だって、まだまだ面白そうだし。このまま引き下がったらつまんないからねぇ」


もう滅茶苦茶だなこの物語。

で?ソラくんは?彼が継母ことファイちゃんにリリアちゃんの生存を伝えないと話が進まない上に嘘吐きの狩人さんを晒し首に出来ないじゃないか。


「え?俺死ぬの?そんな役割だったの?」


そりゃあ、絶対的権力者である女王様に嘘なんてついたら処刑ものだよ。嘘吐きは結局子供達の反面教師の為に死ぬ運命なんだよ。


「じゃ、長官。俺帰ります」


あ、逃げた。


「まぁ…そりゃ逃げるだろう」


エルの出番なんてもう無いから別にいいんだけど……で?本当、あの自由人の魔法の鏡はどこ行ったの?


「兄様ならあっちだが?」

「出せぇええ!出せぇええ!離さんか、ソラァアアアアアアアア!!」

「離したらネリが逃げちゃうじゃん」


……why!?

何やってんのソラくん!羨ま――じゃなかった、けしからんじゃないか!くそ!半泣きのネリちゃんも可愛いじゃないか!!


「あげないよ?」


声が怖いよ!?


「にゃぁああ!こいつが鏡の中から出てくるかもしれんとは考えとったが、儂が鏡に取り込まれる事は考えておらんかったぁああああああああ!!」

「あはは、いいじゃん。どっちも同じ事だよ、最終的には」

「最終的にってお主は何をする気じゃ!」


……駄目だこいつら物語進める気全くねぇえ!?


「とりあえず、兄様達はほっといてだな」

「こらファイ!何をサラッと恐ろしい事を言っとるんじゃ!儂とこいつをこの密室空間に放置する気か!身の危険しか無いぞ!!」

「ネリに危険な事なんてしないよ?」

「お主の常識は世界的には非常識なんじゃ、信用出来るか!」


……不備だ。アルトくん以上に不備だよこの子……


「とりあえず私がリリアこと白雪娘を暗殺しにいけばいいんだな」


言葉選んで話そうね!まぁ、確かに一切間違っちゃいないんだけども!


「よし、ではリリアと戦いに行ってくるか!」


はっ?なに言ってんのファイちゃん。白雪娘の話はこれから君は老婆に変身して、リリアちゃんをこっそり毒殺しにいくんだよ?はい、早く老婆に変身たーいむ。


「老…婆……?」

「老婆だよ?おばあちゃんだよ?可愛く言うとばぁばだよ」

「嫌だ」


拒否権とかキャラには無いと思うんだよ!


「ふっ、いつの世も打開策と言うのは落ちている物ではなく考える物だ」


……はい?


「いいからお主はいい加減離せ!抱きつくな!」

「え?もう抱きついちゃ駄目?」

「……い、いや、別に今は離せと言っただけで…そんなずっとと言う意味ではなくじゃの……」

「じゃあいいの?」

「――っ!?あぁもう!好きにしろ!!」


……あれだね、人を呪わば穴二つと言うか…因果応報って奴なのかね。



つづく!



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