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君のままに美しく  作者: そら
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第2章  第6話

「どう、おいしいでしょ。」


私がドヤ顔でふふ~んと見つめるのに、委員長は綺麗にスルーして、とても綺麗な所作で、その指を軽くハンカチでぬぐった。


土曜日の午前授業終了と共に、私達は招待という名の陳情のあった葛北高校の文化祭にプライベートで遊びに来た。


それは突如実現したものだったけど。


だってねえ、午後から学園公開日だったわけ。


その受験希望者用の見学会がうちの学園で行われる予定で、カメリア会も、生徒側代表として、最後に全体で行われる懇親会には出席して、もちろん会の代表である私も出る予定でいたの。


それで朝、午後の流れをカメリア館で幹部と確認していたら、何気に資料の一つである本日参加の希望者一覧を見ていたの。


それで、昔の私の住んでいた、やっと今では懐かしいとも思える住所が目に入り、思わずしっかり見ちゃったわけ。


そしてその名前を目にして、少し、本当に少しだけ息が止まってしまって。


平塚沙織、と言う名前、そして保護者としてくるお母さんの名前を確かめた。


間違いなかった。


私のお隣さんだった、あの平塚家の末っ子。


あの・・・・平塚洋介の妹、兄至上主義の妹の名前だった。


平塚のおばさんの、みそ味のやきおにぎりは、いつ食べさせてもらっても、おいしかったなあ、なんて私は現実逃避のように、まるっきり関係ない事を思いだしていた。


そしてどう考えても厄介な面倒事の予感を感じて、きっぱりと行事をさぼる事にした。


あの妹は・・・・苦手だった、うん、あの子が変わったかもなんて希望的観測は持たない方がいい。


て、いうか何を考えて、あの子はここを受けるんだ?


う~ん、わからない。


このまま受験するとは限らないもの、顔を合わせる面倒はごめんだった。


と、いうか私がここにいる事を知っているのか?知らないのか?


まあいい、面倒事はスルーの方向で。


それで、どうするかと考えたら、ちょうど目の前に積み上げられている、もろもろの招待状に、ピコンとなった。


私は幾つか手に取り日付を確認し、その中から建前上も何とかなりそうなここを見つけた。


ナイス、この日によくぞ葛高祭なるものを開催してくれた。


で、陳情を受けて見過ごすわけにもいくまい、というわけで、2年のメンバーに懇親会を押しつけ、ここにきた。


そしてお腹もすいていることだし、即効、サッカー部主催の模擬店で、お好み焼きもどきを買って、皆でベンチに座って食べているところだ。


・・・・・ただし何故見世物パンダ状態?。


けれど隣で委員長がもうあきらめました的な雰囲気なのが、私的にはやるせないんですけど。


「人に優しく」って黒百ユリ会の会則にいれるべきかも。


うん、私に優しく、これ基本でしょ。





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