第84話 戸惑い
ヨウちゃん視点。
パソコンの部屋のクーラーが壊れました。
逃げます。
俺達は、いや俺は何をしていた。
目の前で、他の男に甘える透子に、自分がこれほど衝撃を受けるとは思わなかった。
俺達さえいれば、そう思っていた。
何も入り込む隙間などありはしないと思っていた。
ところがどうだ!
ああ、目の前が暗くなる、昔、遠い昔、兄弟姉妹で潰しあいをしたあの頃の自分が目を覚ましてきたのがわかる。
なあ、透子、お前のそれは、何なんだ。
その男に対するお前の感情は・・・・・。
他の連中を見た。
俺と同じように、暗く昏い男達を見た。
ああ、どうしてやろうか!
その男は既にすべてを捨ててここにきている。
当たり前だ。
俺達を敵にして、はい、それでは、と返すわけがない事を知っている。
そもそもの元凶のソウは、その敏感さで、とうに雲隠れしている。
電波が届かない地域での活動を理由に。
聞いてあきれる、最新の衛星機器を持ち歩いていたはずだ。
俺は再び透子をみつめた。
透子がその男のひざに甘える様子に、きりきりとまるで心臓に杭を、それも先のとがってない杭を打たれたかのように痛む。
ああ、限界だ。
俺がゆらりと立ち上がった時、誰かの声がした。