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君のままに美しく  作者: そら
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第65話  暇を持て余す人々②

私は携帯で都内であるお祭りの情報を集めた。


さすが7月ともなれば、結構の数になる。


その中でも比較的小さめのお祭りを探す。


あった、あった、小さな神社の境内で行われる町内会主催のお祭り。


下町の方だけど、黒竜会の本部も下町にある。


これだ、これ!


明日から土曜、日曜と行われるそれに出かけなきゃ、だ。


まあ、私が動くまでに潰れるようだったら、それはそれでしょうがないって事で。


ソウは何やら黒竜会の資金凍結からはじまって、今は幾つかある事務所の追立てをやっているらしい。


ここまでわずか3日、さすがソウというべきか・・・。


向こうは訳が分からない内に、あれよあれよと防戦一方らしいけど、ガンちゃんが褒めるだけあって、事務所の追立てをくらっても、ソウの手下たちの挑発には、まだ手を出してこない。


きちんとしつけられてるワンコは好きよ。


私は明日の祭りに行くために、ちょうどいい、遊べ遊べとうるさい可愛い黒ユリメンバーズでも誘って行こうと思った。


これぞ一石二鳥、黒ユリ達と出かける事で、保護者ズからの難癖はなし。


黒ユリ達といる時は護衛もいつもより離れているしね。


私はいそいそと委員長にメールを送った。


もちろん委員長からは速攻了解の返事。


みんなで浴衣で一番近い駅に午後6時集合だ。


私は本来の目的などとうに忘れ去り、久方ぶりのお祭りの夜店に気持ちがワクワクしていた。



私が家につくなり、お祭りの事をとても楽しそうに話すので、自然それぞれのお祭り話しで盛り上がった。


ユキちゃんとレイちゃんがお祭りを知らないというので、今度一緒にみんなででかけようという話しになった。


俺にまかせろ、というガンちゃん達夜組みを見送って、就寝前のエステをのんびり受けていると、ヨウちゃんが私の耳元に囁いた。


「何を企んでる?」と、楽しそうに。


私は乙女は人に言えない秘密でできてるのよ、と答えて顔を横にしてヨウちゃんを見た。


ヨウちゃんは本当に嬉しそうに私を優しくとろけるような目でみていた。


本当にそう、秘密って大事よね。



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