第60話 乱入④
私が必要以上にグループの男子達に接触せず、女子とばかり打ち解けていこうとするので、初めは警戒していた姉の友人である女子たちは、少しずつ、こいつは大丈夫かも、って思ってくれはじめ、とどめととばかりに居酒屋のトイレに一緒にわざとついていってもらったリーダー格の女子に、つきあってる彼氏がいてどれだけ夢中か何気にアピールしたら、すっかり女子の警戒がとけた。
ふん、男がいる女は安心なわけね、・・・それからは女子会のノリ。
私空気読める子だからね、外さない。
何故か私の恋バナに全員盛り上がり、何せ年上の貢ぐ君設定はお姉さまがたに大うけ。
最初はその貢ぐ君設定に男子は引いたけど、男のプライドってやつね、私が女子とは打ち解けても男子には警戒する様子に、1人の男子が、
「俺、何となくその男の気持ちわかるかも。なつかない猫にエサやる気分だな。」
とか言いだして、なるほどという空気になり、それからは年下のかわいい妹設定に何とか軌道修正して、いやあいかんいかん、つい男のプライド甘くみちゃったよ、私。
お姉さま方とうまくやるために、そっちまで考えなかったものね。
それからはもう大盛り上がり。
1人を除いて。
そう、姉の碧ちゃん。
どう?自分の大事な空間が私に浸食される気分は。
私は昏く冷たい視線を私を見つめる姉の碧にひたっとあてて、彼女がそれに気付くとそんな事がなかったようにふるまった。
碧ちゃん、あなたの限界はそろそろじゃない?