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君のままに美しく  作者: そら
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第51話  他校交流会①

前期考査の結果は堂々の首位獲得、数Ⅱのパーフェクトぶりが効いた、これで差をつけれたのよね、もうキョーちゃん大好き!またよろしく、だわ。


本当は鼻息も荒く、ガフン・ガフンってな感じで校内を練り歩きたいのに、そう、例の他校交流会のせいで、テスト明け後のその楽しみがお預けになった。


なぜなら、そのまま他校交流会に突入だから。


今年度の当番校である公立の白鷺高校は、中、高一貫校として人気も偏差値も高い高校だ。


午前中は白鷺高校で授業参観を行い、午後はいわゆる生徒会同士の交流会が行われる。


午前10時に白鷺高校正門に直接集合なので、私はいつものユキちゃんの車ではなく、ヨウちゃんの車で白鷺高校まで送ってもらった。


アホなこの新車のリムジン、バカロンからの貢ぎもの、バカロン自分でも私の中じゃ影が薄いの知ってるから、忘れるなよ!ってアホみたいにいろいろ貢いでくる。


うん、それはちゃんとありがたく貰ってるよ、宝石や時計は私ちゃんとつけるし、こういった車や不動産なんかは、それぞれ保護者ズが勝手にいろいろ使ってる。


物には罪がないもん、これぞ平和的解決ってやつだよね。


できれば、このまま海外にずっといて貢ぎものだけ送ってくれるのがベストなんだよね、って私がいつだったか何かの品受け取った時話したら、ヨウちゃんが、そんなことあの人に言えるのはお前だけだな、ってあきれていたっけ。


え~、当たり前のことだよねぇ、バカロンすんごいめんどくさそうじゃない。


うちの保護者ズと戦って一人で互角っていうの、面倒以外何ものでもないよね。


まあ、このリムジン静かだし寝心地もいいし、いつもユキちゃん特製のさまざまな飲み物が入っているから好きだったの、過去形だけど、これ大事。


今日は朝練で体をほぐしてから、ヨウちゃんのエステをゆっくり受けて、肌も髪もつやつや、やっといつも通りの私に戻った感じで、ちょっとウキウキしてたの、車に乗るまで。


白鷺高校にもうじきつくよって隣に座るヨウちゃんが教えてくれたけど、この前まで私の癒し空間だったこのリムジン内、ヨウちゃんたら内装改造しちゃって、ずっとムーミンのDVDがエンドレスで流れているわ、ドリンクホルダーもバーカウンターも、その他もろもろムーミンキャラクター満載なの。


特注かけて作ったらしいけど、どこぞの子供の本にあるように「あんぱんまんを探せ」みたいに、これでもかってくらいにムーミンの仲間たちがいっぱい。


タッチ式の室内灯も凄い凝ってるの、にょろにょろの形してるのよ、・・・バカロンに言いつけてやろうかしら、私が黒くそう思ったのも仕方ないよね。


もうこのリムジンいらないな。


私は迎えは委員長達と一度学園に帰るので、委員長の車に便乗させてもらうから、いらないとヨウちゃんに言った。


大事だから2度言った、迎えにくるなよ、ってことだよ。


そんな私にヨウちゃんは仕返しとばかりにニヤリと顎をしゃくって、向こうを見ろって感じ。


外からは車内は見れないけど、こちらからはよくわかるの。


何さ?私がヨウちゃんの目線を追って外を見ると、白鷺高校の正門は綺麗にあいていて、そこには我が黒ユリメンバー8人ほどが委員長を先頭にリムジンをみると優雅に頭を垂れて軽く腰をかがめるのが見えた。


待って、待って、それはないよ!


誰がそんな風に出迎えろって言った?ここはうちの学園じゃないよ、わかってる?


リムジンはスピードを落として堂々と正門の中にすべりこむ、・・・すべりこむ?


待てぇ、こらぁ!なんで校内入ろうとするわけ?


私は運転手さんとの間の仕切りのプレートに書かれている、スナフキンがリュック背負って遠くを静かに見つめているそのイラストをコンコンと急いで叩き、止めてちょうだいとお願いしたが、時遅く車は校内に入っていた。



私もスナフキン同様、現実逃避で遠くを見つめてしまったのは仕方ないよね。


くっくっと声をかみ殺して笑うヨウちゃんの足を踏みつけて、私は運転手さんにドアをあけてもらい、初めての交流会が行われる白鷺高校におりたった。


恥ずかしくなんかないぞ、と一生懸命気合を入れたせいで目に力が入り、そのせいで更に周囲をビビらせてしまうなんて思いもよらずに。

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