第1話
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透子は、あれからバスケも止め、朝は誰より早く起き、学校へいき、そして家に帰るのは本当にギリギリまで遅らせて帰るようになった。
家族とは口を聞くどころか、顔も見ないような生活をしているが、成績を下げたわけでも素行に問題があるわけでなく、何一つ文句は言わせないようにしてきた。
あの時パラパラと崩れたのは、私を形作っていた全てで、それには勿論家族の存在もあった。
確かに少しの間は、一人になると、泣き暮らしてしまったけど、心臓ってこんなに、ずきずき痛いものかってくらい痛くて、本当に痛くて・・・。
けれど死ぬほど痛くて死ぬほど泣いて、また泣いて・・・。
それなのに目に見える傷など私のどこにもなくて、こんなに苦しく痛くても人は生きているんだな、って不思議に思って、時間の感覚はなくなっていたけど、夏服が冬服に変わりマフラーをするようになったころ、それはおこった。
お風呂に夜中に入り寝ようとした時、そこの姿見に映る昏い表情のやつれた人間が誰なのか、ぎょっとしてよく見ると、だんだんそれが自分だと認識した、今の自分だとわかった。
そこで初めて悲しみではなく、とてつもない怒りが私に沸き起こった。
歯をギリギリならし、手を思い切り握りしめ、私は鏡に映る自分をみつめながら自分に激怒した。
何?ナンなの!私!私が悪いの!いいえ、違うわ!!そうでしょう?姉だった女と、つきあいはじめた男が裸でからまっていたのは、決して私のせいじゃないわ。
あの二人が自分たちで選んだことじゃない!私って馬鹿?何で!何で!こんなことになってるの!!
父が母が選んだのもそう、何もなかったふり。
すべてが全てが私だけ置き去りにして「なかった」ことになってる。
私は思い切り鏡をにらみつけながら、自分の頬をビンタした、何度も何度も自分をにらみつけながら。
そして、やがてそこには強い強い凛とした眼差しをした頬を真っ赤にはらしてはいても、その揺るがないプライドを取り戻した、やつれてはいても、驚くほどの昏い鮮やかさを身にまとった一人の少女がそこにはいた。