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君のままに美しく  作者: そら
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第15話

委員長からメールが来た。


この夏休み、聖桜学園への学校見学が半端ないものになっていると。


カメリアメンバーズやその取り巻きが転校や留学といった形であわただしく学園を去ったが、それをあまりある甘い蜜現象がおき、学園に嬉しい悲鳴を上げさせているらしい。


いつの世にも、目先の明るい人間はいて、騒ぎの元凶だった私的にはまあよかったね、って感じ。


大量に抜けた3年生と2年制の欠員を募集するに違いないとの憶測と、例年通りの高校からの受験希望生で今までにない人間が学校訪問に集まっているらしい。


だけど、そんなバカな話でメールが来たわけじゃなく、夏休み明けにすぐ動きだす学園祭の実行委員会を黒ユリ会に打診がきたそうで、それを受けるがいいか、とのメールだった。


10月にある学園祭か、めんどそう。


まあ委員長たちに丸投げして、準備はともかく当日はばっくれてもいいかと思い、それにはすぐ了解の返事を送る。


それより問題なのが続いて委員長からきたもう一つのメール。


委員長の井上テクニクスグループ本社主催で毎年行われる夏祭りに、正式に黒ユリ会メンバーズを招待したいと思うがどうか、とのメール。


この夏祭りには黒ユリ会の子達の親の所も協賛という形でここ2年ほど参加しているとの事だった。


う~ん、これってぶっちゃけうちらを使った示威行為だよね、誰が見ても。


私がう~ん、とメールを睨んでるとヨウちゃんが私から携帯を取り上げメールを読むと、そのまま出勤前の夜組みに回していく。


そこにちょうど珍しく早く帰ってきたレイちゃんが最後にそれをみて、私の所まで携帯を戻してくれた。


まったく私のプライベートはどこ?っていう話だよね。


唆すように、からかうように私を見るレイちゃんに、オッケイ、わかってるわよ、ため息をつきつつ委員長に参加了解の返事を送る。


ニヤニヤする夜組みをジロっとにらみつけ、早くとっとと稼いで来い!と仕事へ送り出す。


戻ると、お茶を飲みながらレイちゃんが筆頭秘書の前島さんに今年は自分も参加するから調整するよう言い渡していた。


え、なんで?やめてよねえ。


私が何か言ってやろうと口を開いた時、ちょうどタイミング悪く私の携帯に電話が入った。


それは今送り出したばかりのテイちゃんからで、何事かと思えば俺も招待状今ゲットしたぜ、との電話。


私は声も出さず、そのまま電話をブチっと切ってやった。


嫌な予感に、チラリとユキちゃんを見れば、やはり自分の携帯で何やら話しをしながら私にVサインをだしてくる。


そして、元凶のヨウちゃんはテーブルで何やら書いている、よく見れば出席しますに〇をつけてる。


それか、それが委員長とこの招待状か~!お願い、マジやめて、ほんとやめて。


涙目でこんなのってありなの、そんなに簡単に招待状ってゲットできるの?と委員長の会社をふざけるなと思いつつ、この分ではガンちゃん、キョーちゃんコンビも手に入れ乗り込んでくるな、と確信する私。


私の初めてのドキドキ学外デビューは、こうして厄介な保護者監視つきのものに決定した。


ありえない、恥ずかしすぎる!





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