第2章 第13話 反省しますから
家に帰ると、何故か保護者ズが玄関に全員集合して私を待っていた。
えっ、こんなお出迎え嫌な予感しかしない。
えーと、夜組の皆さんは、もうお仕事行く時間じゃないかなぁ?そう可愛く話しをふっても、ガンちゃんやテイちゃんは、ニヤニヤ笑うばかり。
リビングまで、大移動したら、すかさずテイちゃんが、携帯を取りだし、どこぞのお店に貸切りの予約を、これみよがしに入れた。
何、その妖しげなお店の名前「夜のむち」ムチ?無知・・・?
テイちゃんが私をみて、私が声を出して聞くまでもなく答えた。
「ああ、パシッとする鞭の方だな。」
えっ、えっ、何その店?
予約の人数を見るに私も?な、わけないよねぇ、そう思いまたテイちゃんをみると、
「良かったなぁ、透子。日本でも1、2を争う最高の店を俺の顔で、貸切りだ。」
と、ひどくあの夜の帝王モードで私を見てエロく笑う。
続いてガンちゃんに、電話がかかってきた。
「ああ、俺だ、用意はできたか?最高のものを用意したろうなぁ。ろうそく?」
私の顔をこれまた悪い顔で下からねめつけるように見上げながら、唇を一度舌でこれみよがしに舐めエロさをダダ漏れさせながら、
「ああ、その最新のでいい。紫の煙の媚薬入り、ピンク?ああそれもだ。」
む、紫?媚薬?不穏な単語が聞こえました。
それにビビッて、その電話を思わず注視していると、ヨウちゃんが、サラっとガンちゃんに声をかけた。
「象皮の鞭は、こっちで手に入ったぞ。」と。
ぞ、象皮ってなに、何なの~、涙目になりつつある私に、
キョーちゃんが、そっぽを向きながら、
「俺は誰にも舐めた真似をさせる気はないが、透子がしたいなら・・・・別にいい。」
と言ってきた。
えっ、何この可愛いさ、ここにワンコがいる、それもツンデレわんこ。
でもね、そのセリフ自体なんか怖いんですが・・・気のせいじゃないよね。
私が助けを求めて、一人静かなユキちゃんをみると、その手には読みふける本がある。
「精神医学で見るサディズムとマゾヒズム」
そしてユキちゃんの前には、まだまだたくさんの積み重ねられている本があった。
題名を見ると、
「あなたもこれで鞭の達人」
「私が語るMの真髄」などなど。
ぎゃー、ごめんなさい、ごめんなさい。
私は必死であやまった。
恐るべし、情報網。
あの使えそうにない学園長め!あいつか!あいつなのか!
あのあの、しか言えない口で、何をしゃべった、しゃべれるんじゃないか!
私が、うちの保護者ズは、足乗せ台などじゃ決してない!と言うと、みなきょとんとした顔をした。
ガンちゃんが、ふぅ~って溜め息をついて、私の顔をじっと見ながら、
「こりゃあ全然わかってねーな。拘束具ももっと用意させるか!」
と他の保護者ズにふるので、私は頭をブンブンふって、このさい、なりふりかまわず、みんなの好物の「甘えん坊!わがままスペシャル!!」を発動させました、頑張りました。
ようやく保護者ズの機嫌を何とかデレぐらいまでさせて・・・・・何も考えちゃいけないの、何かが私から抜けていく気がするから!
うちの保護者ズのお怒りの原因がわかった。
私が跪くバカロンにその足を乗せるなんて、自分たちもやったことのない、そんな羨ましい事をさせるな!との事だった。
俺達もそういう時は呼べ!というガンちゃんに、さすが理不尽さを売り物にする商売の方の理論だと、遠い目になったのはしょうがないと思う。
どっと疲れた私には、この後まだ試練が残っている。
今夜の夕食はみんなでバカロンととる事になっているからだ。
本当に、恐るべし!バカロン!あんたが来るたび大変な思いをしてるもの。




