第2章 10話 誰か何か言って下さい。
ぼちぼちと書いていきます。
ゲームは・・・相変わらずですが、ネット小説の海に漂っていると、それだけで大満足で、余計こちらがおろそかに・・・・。
今年も皆さんの上に、良い事がありますように。
本格的な梅雨の季節が来る前に、バカロンが何を血迷ったか、日本にやってくるという話しを聞いて1週間ほど過ぎた日。
あろうことか、バカロンは、表の顔の一つ、世界を席巻する中国経済の重鎮として、のうのうと我が学園にやってきやがりました。
ええ、口調も悪くなるってもんよ。
空港に降り立って、そのまま聖桜学園に、それも直前に中国大使館からの口添えなんぞも、わざわざ使い、しれっと我がテリトリーにやってきた。
日本を代表する淑女教育について、感心したとかなんとかの理由をつけて。
昼過ぎの穏やかな時間を、委員長の隠れ毒舌を綺麗にスルーしつつ、黒ユリ館の私室でまったり至福の高級紅茶を飲んでいたその時に、学園長からの珍しい呼び出しがきた。
ソウの代わりにきたこの学園長の小林なる人物は、さすがガンちゃんとこから来ただけあって、かなりうさんくさい男だが、ただ一つの良い所は、私の手を極力煩わせまいという、そういう所がしっかり見受けられる所だ。
その学園長がわざわざ呼び出すのは、よほどの用事なのだろうと、なくなく出来立てスコーンをあきらめていけば、急きょお客様がいらっしゃるので、臨時集会を行う、との事だった。
すまないが、午後からの臨時集会の準備をよろしくお願いします、と頼まれた。
それと共に渡された外国からの賓客のおおざっぱの、急いでかきあつめたらしい資料をみて、電話ですむはずの話しを、わざわざ私を呼び出した理由がわかった。
たいそうな履歴、今や世界経済を動かすといわれる人物の名前は「王偉」、写っている資料の写真は、どうみても、見たくないけどバカロンだった。
私が眉毛をあげて学園長に無言で問いかけると、携帯を渡された。
出るとガンちゃんだった。
ガンちゃんは、それはそれ~は、機嫌の悪い声で「すぐ帰ってこい。」と言った。
それを聞いて学園長をみると、「もう終わった。」みたいな顔をしていた。
そりゃあそうだ。
ガンちゃんは自分の所属する組織のトップ。
けれど今からやってくるバカロンは・・・・・。
どっちにしてもアウトって事ね。
私はわざわざ調理室で私の為に、可愛い後輩が作ってくれたクルミ入りの焼きたてスコーンを思い出した。
食べ物の恨みは恐ろしいってことを教えてあげなきゃいけないわね。
私はガンちゃんに言った。
「嫌よ。帰らない、と。」




