第2章 第9話 あの人は今
あのバカ「ロン」がやってくる。
ヨウちゃん情報だから確かだ。
久しぶりにみんなそろっての夕食の席でそれを聞いた私が、それなら、って、ある考えがひらめいたんだけど、すかさずレイちゃんが、
「ダメですよ。透子、警察にリークしても無意味です。」
ガンちゃんも続けて
「ああ、無理だな、透子、お前が考えたあれやこれなんぞ、無意味だ。」と珍しく沈痛に言った。
テイちゃんが、それに、
「気持ちはわかるが、俺らが揃って黙ってんだ、打つ手なし、だ。」
と悔しそうに言い、それを聞いたキョーちゃんが、
「あいつ誰か殺してくんねーかなぁ。」と天井を見上げた。
私が珍しく他力本願な本気と思われる願いに、からかうように見つめると、
「あ~、透子、お前なあ、ホントあいつって悪運強くてあきれるくらいなんだからなあ。ありえねぇよ。」
と言って行儀悪くテーブルに突っ伏した。
それを見てユキちゃんが、
「毒にも耐性ついているそうですからねぇ。」
とあきれたように言った。
私は、はぁ~、と溜息をついて、
「何かバカロンくると、ロクな事ないんだよねぇ、私的に。」
と、しみじみ言うと、珍しくみんなで同意した。
前回きた時は、結局どうしてくれんのさって事態を引き起こしてくれたわけで、バカロンなんて、忘れられてこそ幸せって学んだはずなのに。
それなのに、日本にくるという。
なんか、とっても嫌な予感がするんですけど。
その私の予感はきっちりと当たった。