表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/13

13話 ~希望の水~

 


 胃の中はとっくに空だというのに、体はまだ内容物を吐き出そうとしています。


「………火よ………火よ起これ!」


 胃液の苦味と嗚咽の合間に、擦り切れた声が響きました。


 体勢こそ地面に這いつくばっていましたが、それは風による体温低下を避けるためであり、その精神は決して屈服していません。


 煮えくり返るような怒りが、一度は折れかけた気力を強引に繋ぎ止めていたのです。


(復讐もしていないのに、死ねるか……! あの豚に必ず報いを受けさせてやる。人をゴミみたいに見やがって、絶対に許さない。何が出世だ! 何が大司教だ! 何が神だ!)


「ファイヤ! ファイア!」


 圭太は、自分という人間の本質を理解しました。それは「怒り」です。怒りという燃料があれば、行動できます。


「ウォーター!」


 もはや期待という感情も薄れています。何も起きないことを受け止めつつ、それでも止める気配はありません。


「サンダー!」

「木よ、生えろ!」

「土よ、盛り上がれ!」


 焦点の定まらない目は血走り、闇に向かって虚しく腕を振りかざします。垂れ流される涎を拭うことすら忘れ、支離滅裂な呪文らしき咆哮を撒き散らしていました。


 傍から見れば、それは救いようのない、純然たる狂気そのものです。


「――鑑定!」


 その瞬間、あっさりと変わりました。


 夕暮れの残滓が漂う闇の中、青白く光る『文字』。それが圭太の目の前に浮かび上がったのです。


「ギョエンチョ!!!」


 絶叫とともに、大量の鼻水が噴き出しました。






最後まで読んでいただきありがとうございました。


「ブックマーク」と「いいね」を頂ければ大層喜びます。


評価を頂ければさらに喜びます。


☆5なら踊ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ