7/10
7月、早起きは“三紋の得”
右手に持ったイチゴ大福。
「アーン」と口を開けてかぶりつく瞬間――
「グゴー、グゴー」
地響きで目が覚めた。
「マジかー…」
食べ逃したイチゴ大福を思い出しながら、
震源地を探す。
すぐに特定。我の枕から右に50cm、
とっくの昔に見慣れた、イケメンとは程遠い顔。
その顔、正確には薄く開いた口から、
「グゴー、グゴー」
と轟音が漏れている。
時計を見ると5時半。
二度寝してもイチゴ大福は食べられる保証はないし
そもそも二度寝できる環境じゃない。
諦めてベッドを出る。
外はもう明るくなり始めている。
せっかくだから散歩に出る。
少し湿り気のある新鮮な空気を味わいながら、
小一時間歩く。
玄関先の夏休み観察日記用アサガオ。
家を出るときはツボミだったのに、
今は三つ開花している。
我は寝室に戻り、彼の頭を両手で挟んで
思いっきりシェイク。
「グガッ」
彼は目を覚ます。
「アサガオも開いてますよ。
アナタも目を開きなさい!」
彼は一瞬だけ薄目を開いたが、すぐにまた閉じる。
「アサガオだって起きてますよ!」
もう一度、強めに起こす。
「ダイジョブ、ユウガオが好きだから」
ーーダメだ、これ。
我はキッチンへ行き、朝食の準備を始めた。




