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7月、早起きは“三紋の得”


右手に持ったイチゴ大福。


「アーン」と口を開けてかぶりつく瞬間――


「グゴー、グゴー」


地響きで目が覚めた。


「マジかー…」


食べ逃したイチゴ大福を思い出しながら、

震源地を探す。


すぐに特定。我の枕から右に50cm、

とっくの昔に見慣れた、イケメンとは程遠い顔。

その顔、正確には薄く開いた口から、


「グゴー、グゴー」


と轟音が漏れている。


時計を見ると5時半。

二度寝してもイチゴ大福は食べられる保証はないし

そもそも二度寝できる環境じゃない。


諦めてベッドを出る。

外はもう明るくなり始めている。


せっかくだから散歩に出る。

少し湿り気のある新鮮な空気を味わいながら、

小一時間歩く。


玄関先の夏休み観察日記用アサガオ。

家を出るときはツボミだったのに、

今は三つ開花している。


我は寝室に戻り、彼の頭を両手で挟んで

思いっきりシェイク。


「グガッ」


彼は目を覚ます。


「アサガオも開いてますよ。

 アナタも目を開きなさい!」


彼は一瞬だけ薄目を開いたが、すぐにまた閉じる。


「アサガオだって起きてますよ!」


もう一度、強めに起こす。


「ダイジョブ、ユウガオが好きだから」


ーーダメだ、これ。


我はキッチンへ行き、朝食の準備を始めた。


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