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10月、食欲の秋


神社の鳥居を二人でくぐる。


毎年恒例の参拝。

古いお札と御守りをお焚き上げしてもらい、

新しく神様を迎えるのが

10月の恒例行事となっている。


この日だけは彼女と手を繋いで歩ける極上の日。

普段は何故か手を繋いで歩いてくれない。


もう子ども達も一人で歩けるどころか、

一緒に出掛けてくれないのだから

手を繋いでくれても良いと思うのだが、

ワタシの手はスーパーの袋を持つためにあるのかと

誤解してしまう。


参拝を終えて参道を戻る途中で

菊の花の品評会をやっていた。


サイズも種類も色もさまざま--


ふと一輪の菊に目が止まる

大ぶりで柔らかいクリームいろ


「ねぇ、この菊さぁ」

 彼女に声をかける。


「ーーこの菊?」



「食べ物に見えない?」

「食べ物に見えない?」



音が重なった。

お互いの顔を見てニヤける。


「何に見える?」とワタシ

「せーので言う?」と彼女


『せーのーー』



「ーーメロンパン!」

「--にくまん!」


二人の距離は、

まだまだ詰める余地があるようだった。



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