[番外編]みんなの弱点、レイナには……
ある日の魔法団の屋敷。
「ねぇ、カノンちゃん」
プリンはカノンと向かい合って座る。
「どうしました?プリンさん」
「あのさ、首筋をソッと撫でるとね、誰でも変な声出すじゃん」
プリンは瞬間移動をして、プリンの首筋をソッと撫でる。
「ひゃ……」
カノンは全身を震わせる。
「ね、そうでしょ?」
「……そうですね」
カノンは思わず赤面した。
「だからね、考えたんだよ。これをレイナにやったらどうなのかなってね」
プリンはニヤニヤとする。
「でも、プリンさん。病院送りになりません?」
カノンは心配気味に言う。
「大丈夫だよ。レイナでも多少は手加減をしてくれるはず」
「なんで病院送りになる前提なんですか?」
*
レイナの部屋から、ノックの音がする。
「はいはい」
見ると、カノンとプリンが入ってきて、テーブルを挟んで右のソファにプリン。左のソファにカノンが座る。
「珍しいな。二人が一緒に入ってくるなんて」
そう言ってレイナは、組んでいた足を解き、カノンの隣に座る。
「なにか用があるのか?」
警戒することなく、レイナはプリンを見る。
「ちょっとね。で、なんだっけ、カノンちゃん」
「プリンさん……」
レイナの視線が、一瞬カノンに向いた瞬間、プリンは瞬間移動して、レイナの首筋を撫でる。
「ひ……」
その声は、男性から出しているとは思えない女の子のような、裏返ったその声に全員沈黙する。
「…………プリン」
「ヒヒヒ。虹色の瞳の弱点をついたの。確かに、魔力探知は一級品だけど、瞬間的な魔力の消費には、追いつけないようだねー」
「てめぇ……」
「ははは。こわーい」
レイナが立ち上がると、プリンはすぐにレイナの部屋を出る。
レイナもドアを開けて部屋を出る。
「待てプリン!逃がさねぇぞ!」




