表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
39/64

新たな被害

 トヌーに電話をする前に、電話が鳴る。

 ホームズは出る。

「はい、なんでしょう」

『ルナです』

 その言葉に、ホームズは目を見開く。

「局長。どうされましたか?」

『大公の娘さん、意識があるって。で、話を聞こうと電話しようしてたかもしれないけど』

「…………はい。そのつもりでした」

『じゃ、いい情報が入った』

「……それは……?」

『卵だよ』

「…………卵?」

『トヌーが言うには、娘さんは卵を割ろうとしたら、爆発したって言ってた。それって、今までの事件と辻褄が合わない?どの事件も被害者も、キッチンに立ってて、それに、野菜とかが散らばってたんなら』

「…………辻褄が合う!」

 

 ホームズは魔警官全員を集める。

「今すぐ、全ての青果店の卵を見張れ!今までの被害者の共通点は、料理中!そして、大公の娘さんは、卵を割ろうとしたら、爆発が起きたそうだ。つまり、一連の事件は、卵による爆破事件!もう一度言う!全ての青果店の卵を見張れ!」


 翌日、赤茶色のブレザーを羽織った男子学生が青果店を覗くと、卵売り場は魔警官によって見張りがされていた。

「おいおい。ふざけんなよ。いや、さては俺の手口に気づいたか」

 すると、彼はニヤリと笑い出す。

「いいじゃん。でも、俺だって気づくかな。あそこには爆弾卵が隠してある」

 カノンはそれを見つける。

「……ん?」

(怪しい動き)

 そして、彼が動き出すと同時に歩き出す。

「ちょっと後を付けてみ」

「カノンさん、どこに行くんですか?」

「え……」

 タクに声をかけられ、思わずそっちを見てしまう。ハッとして、彼がいた方を見るが、人混みで見失っていた。

「…………っ」

(逃した……!でも、魔警官の人に報告しないと)

「二人とも。第一局に戻るよ」


              *


 カノンはホームズに報告する。

「その学生は……その、赤いネクタイで、なんか、赤茶色のブレザーで……」

「あぁ、西パレイド高校ですね。その制服の特徴は」

 ホームズが言う。

「いや、でも、学生が犯人だなんて」

 ホームズは信じがたいようだ。

「カノンさん、それは行き過ぎでは……」

「……でも、あの目はミミと似てました。完全に、悪意の目です!」

「そう言われましても、目つきだけで犯人だと言われましても……」

 これじゃ、完全に平行線だ。

「とにかく、動いてくださいよ」

「……確定的な証拠がなければ」

「証拠証拠で動いてるんじゃ、ダメなんですよ。これじゃ、更なる犠牲者が出てしまいます!」

 その言葉に、イリアを思い出す。

(あいつも、こんなところがあったな……)

 ホームズは頭をかく。

「…………すいません。それは、できません」

「…………」

「レイナさんがいれば、出来たんですよ。一応、私の上司ですし」

「…………」

 カノンは悔しそうな顔をする。

「すいませんが、確定的な証拠がなければ……」

 すると、轟音と共に風が来る。カノンは走って窓を見る。

「……爆発!」

 あそこは、さっきカノンが男子学生を見かけた青果店だ。

「そこです!そこで!その犯人らしき学生を見かけました!」

「………………そうですか」


               *


「あれ……」

 男子学生は、学校の窓の外で立ち上る黒煙を見ている。

「誰かが卵を落としたかな」


 死者が、八名ほど増えた。これにより、この事件は死者十八名、怪我人は一名である。


「でも、卵が警戒されてるから次の作戦を考えないと。簡単に壊せて、なおかつ身近なもの……うーん」

 一刻も早く、この男を止めなければいけない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ