新たな事件
カノンとトヌーが話していると、放送が入る。
『魔警官と魔法団全員、先ほどの会議室に集合してください』
再び、魔警官と魔法団が会議室に集まる。
「悪いけど、仲間からの伝言で、この事件は魔法での事件であることが明らかになった。これより、魔法での爆破事件として捜査を始める」
そう言うと、全員が目を見開く。
「魔警官の半分は、王都パレイドに。もう半分は、ここで待機」
ルナは魔法団を見る。
「……魔法団も…………王都パレイドで」
*
王都に入るには、汽車しかない。飛行魔法は、魔法大戦争以前までは使用ができたが、今では許可がない限り、汽車以外での立ち入りが禁止されている。
「まったく。こまったもんだな」
局員の一人が言う。
「どうしてルナ局長は魔法団なんか使うんだよ。こっちの評判が下がるじゃねぇかよ」
「ほっとけ。どうせ魔法団の主戦力はレイナだけなんだからよ。それに、体術なら犯人よりこっちの方が上だ。ちゃっちゃと犯人捕まえようぜ。こっちが人数多いんだしよ」
*
治安維持局を出ようとするトヌーに、イリアが引き止める。
「トヌーさん!」
「ん……どうしました?」
「あの、お屋敷から電話です」
「誰から?シルレ?」
「……いえ、大公です。それが……」
「…………」
「屋敷に、あの事件が」
「…………は?」
「召使いさんの話では……その、クッキーを作ろうとして卵を割ったら、爆発がって」
「いつ……」
「数時間前です。今、病院で……あの、王都から、飛行魔法の使用許可が」
トヌーは「使用許可」を聞いた瞬間、高速で飛び立つ。
「はや……」
*
「号外でーす!号外でーす!」
王都パレイドの街の真ん中で、新聞が配られている。
「四件目の爆破事件でーす!場所は、王都の城!魔創家の屋敷!そこの娘さんが病院送り!」




