表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/76

招集

 ミミは「魔王の駒」を全員集めており、彼女の隣には、胸にクイーンのマークをつけた女性が立っている。

「……ミミ様、そのものは誰ですか?」

 最後に来たルシファーが尋ねた。

「あぁ、東洋の将軍だって。歴史書があったから買って魔物を作ってみたの」

「……それ、だれでなんです?」

 姿は、腰の下まで伸びた異様に長い髪で、手にはナギナタを持っている。

「新しいクイーンだよ」


             *


 それから二週間後。カノンがポストを開けて手紙を開くと、眉をひそめた。


『至急、団長室まで』

 その声を聞いたタクとアヤは、首をかしげる。

「団長室ってどこだっけ?」

 アヤが聞く。

「ほら、レイナさんがいるところだよ」


 二人が部屋に入ると、レイナは紙を見せてくる。それには、こう書いてあった。

『ここから、南西の街に行ってみな。そこで戦おうじゃないか』

「こんなものがポストに入れられていた」

「…………」

「決着をつけるしかないな。ミミとの四年間の戦いを」


             *


 ブティックのレジで居眠りをしているプリンは、大きな電話のベルで目を覚ます。

「はいはい。プリンだよ」

『プリンか』

 聞こえてきたその声に、プリンは「あ」と言う。

「レイナじゃーん。どうしたの?自分から電話かけるなんて」

『とにかく、時間がない。王都から南の街に行ってくれ。詳しいことはそこで話す』

「お、なにか大きいこと?私のことを頼りにしてくれるのは認めてあげる」

 そう言ってプリンは電話を切ると、店から出てcloseの看板を立てる。

「私も久しぶりに本気を出しますか」


              *


 魔法団たちは、飛行魔法で南西の街へ向かう。

「見えてきた……」

 段々、カノンの声が小さくなる。

「なんだよ。あれ」

 後から来たレイナが声をあげる。

 そこには、ツタのように鎖で巻きつかれたたくさんの民家に、鎖で吊るされた大きな塔。街に全てが鎖で覆い尽くされている。ただ、わかることは一つだけ。

 ――人が一人もいない――

「ミミ、の能力じゃなさそうだな」

 レイナが言う。

「すると、魔物……『魔王の駒』だな」

 レイナはバッと後ろにいるタクとアヤに言う。

「俺たち以外のやつらが来たら逃げろ」


             *


「来た来た」

 ミミは屋敷から、その景色を見ている。

「さ、頼んだよ。『魔王の駒』」


             *


 レイナとカノンが地面に降り立つと、街はとても静かだった。水の小さな滴りが聞こえるくらい。

「レイナ。魔法は見える?」

 カノンが聞くと、レイナは目をつぶる。

「いや、見えない。ここら辺には魔物はいないな。ミミは前みたいに下級の魔物を山ほど出したりはしてこない。正真正銘、『魔王の駒』とミミとのガチンコだろうな。プリンがまだなのが……だがな」


             *


 プリンは自分の部屋で腕と足を鎖に拘束されている。

(解けない……これは、特殊魔法。私には鎖だけを壊す魔法はできない

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ