A≒B
どうも。二木緑斎です。
何度も言いますが、ニキではなくフタツギ...
間違えられると少々ムカッときます。なんたって僕の大事な名前だからね。
その”名前”に関して少し話をしましょう。
僕は小説家という職業柄、キャラクターの名前を考えなくてはなりません。自分では知らなかったものの、自分が作ったキャラクターと同じ名前の芸能人がいたり、他の作品のキャラクターがいたりします。
僕はあまりテレビを見ないので、その方の存在を知らないため、そういうことが多々あるのです...
前置きはここまでとして、今回の話は、医者をしている友人から聞いた話です。
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ある男性がいました。
その男性は病院に行き、待合室で待っていたところ、他の科で自分の名前が呼ばれるのを聞いた。
手違いだと思い、伝えに行こうとすると、他の人が立ち、看護師の元に行きました。
不思議に思った彼は、診察後、先程の男性の元に行き話すと、彼らは同姓同名だということが分かりました。
彼らは連絡先を交換しました。
男性は万年友達がいなかったので、とても嬉しく思ったそうです。
そしてある日、男性は、同姓同名の人の元に...分かりづらいから男性をAさん、同姓同名の人をBさんとしましょう。
AさんはBさんの家を訪れた。
そして玄関チャイムを鳴らしました...しかし反応はありませんでした。
その後も幾度かチャイムを鳴らしましたが反応がなく、不審に思ったAさんはBさんに電話をかけようとしました。
しかし、「おかげになった電話番号は現在使われておりません」と機械音声に言われるだけでした。
Bさんが誘拐されたのではないか、と思ったAさんは警察ヘ行き、Bさんの住所、連絡先を教えました。
すると警察からは、そこに人は住んでいない、と言われました。
その後、AさんはBさんから聞いた実家、思い出の場所、職場などに向かいましたが、どこにもBさんの姿はありませんでした。
Aさんは、Bさんと出会った病院ならいるのでは無いかと考え、病院に向かいました。
そして僕の友人...先程言った医者の友人です。
Aさんはその僕の友人のもとにBさんの所在を尋ねました。
次の日、Aさんは病床にいました。
そして定期的に看護師が見に来るようになり、薬を飲むように言われました。
不思議に思った彼は看護師に、なぜ病床に入れられたのか尋ねましたが、看護師は無視しました。
次の日、Aさんが起きた時、隣にはBさんがいました。
そしてBさんはAさんに一緒にここを抜け出さないか、と言いました。
そして彼らは抜け出そうとしましたが、入口が封鎖されていました。
次の瞬間、僕の友人の医者が彼の元に行きました。
そして同時にBさんは消えました。
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これは、Aさんの手記を僕が分かりやすく書いたものです...
なぜ書き直したのかって?
それは彼の手記は、普通は読めないものだからです。
わかる人には分かったかもしれませんが...
Aさんは精神病だったのです。
そして彼は万年友達がいない悲しみから、Bさんという架空の友達を作り出した...
人間の欲望とは、時には恐ろしいものです。
自分を滅ぼすことにもなってしまう。
みなさんはお気をつけて...
P.S. Aさんは最終的に僕の友人の医者の友達となり、精神病は治ったそうです。