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小説家二木緑斎の奇妙事件簿  作者: 蒼真
第一部 二木緑斎探訪篇
3/20

跳ね魚

どうも...二木緑斎です。毎度毎度言いますが、ニキではなくフタツギ...

そろそろ僕のことを知っている方も増えてきたのではないでしょうか。

やっぱり魚というのはおいしい。

あぁ、アレルギーの方がいたら失礼。

これはただの僕の意見として聞いて欲しい。

魚。すごく未知にあふれている。

まず、海自体が未知ですからね。

海の生き物は、学術的に分かっているのは、全体の10%だけとか!

驚きですよね!

...失礼。今から僕が体験した奇妙な事件についてお話するというのに明るい語り口になってしまった...申し訳ない。

では、本題に話を戻します。

これは、3年前、静岡の方に旅行に行って漁港に行った時の話です...あぁ、駄洒落ではありません。

****

僕は旅行中、海の幸が食べたいと思って漁港に行ったのです。

行った時、まだ漁港が空いていなかったものですから、浜辺でも歩こうかと思ったんです。

そしたら急に水面から大量の魚が飛び跳ねてきて、そして全て、水面に浮かびました。死んでいました。

その時は、電気ショックで魚をとる漁法かと思って、不思議には思いませんでした...

その後漁港に行って、電気ショックについて聞こうと思ったんです。小説の題材にできるのではないかと思ったから。

そこで、漁港のおじさんに聞いたのですが...そんなものはここでは行われていないと言われました。

その時は、漁港の船では無い何者かが、電気ショック漁法をしているだけだと思ったのですが...

真実は違いました。もっと恐ろしいものだったのです。この体験で僕は初めて”踏み込みすぎてはいけない”ということを身をもって感じました...

それでは話を続きに戻して、僕は、その「電気ショックを行っている者」を探すために、浜辺をパトロール、と言ってはなんですが見回るようになりました。

そして...1日1回必ず僕は電気ショックを目撃するようになりました。

そしてそこにカメラを設置しましたが、何者も映っていませんでした。つまりそこにはまだ電気ショックの装置があるということです。

それを確かめるために、僕は潜ることにしたのです。

あぁ、なんでそんな決断をしてしまったのだろう、と今でも後悔しています。

後日、僕はダイビングの格好で、水面へと潜りました。そこには死んだ魚たちが大量にいました。あの電気ショックのせいでしょう。

その瞬間でした!

僕は電気ショック装置を発見したのです!

そしてそれに触れようとした瞬間でした。

僕はもろに電気ショックをくらったのです。

今でも生きているのが不思議なくらいです...

数日後、僕が目覚めた時、そこは病院のベットの上でした。看護師さんに話を聞くと、漁港のおじさんが、僕が浮かんでいるところを見つけてくれたとのことでした。

本当だったらこの世から消えているはずでしたが、ダイビングのスーツが、高級品だったため、電撃をあまりくらわずに済んだのだろう、とのことでした。

数日後、僕は退院しました。

そこで手を引くのが普通なのでしょうが...僕は分からないことや不思議なことは追求しないと気が済まないタチでして...あの電気ショックを調べに行くことにしたんです。今思うと馬鹿なことです。

まず、あの電気ショックは本当に偶然のタイミングで起こったのか、調べようと思いました。

僕は電気を通さない釣り糸に死んだ魚を刺し、水面へと下ろしました。

そして電気ショックの装置のそばに下ろすと電気ショックが起こることがわかりました...

つまりあの装置は近くに何者かがよると、電気ショックが起こるというものでした。

私は至極不思議に思いました。

そこは魚が大量にいる場所ではなかったからです。電気ショックの装置をいくつも置いている訳ではなく、ここにしかないことはダイビングの時に確認済みです。ではなぜ、ここに設置したのでしょうか?

気になって僕は水中カメラを少し電気ショック装置から離れた場所に下ろしました。

そこで僕は見つけてしまったのです!

そこには、白骨化した遺体がありました。

僕は鳥肌が立ちました...

この電気ショック装置は、遺体を隠すための番人だったのです。

では、誰が設置したのか、気になりました。

その後警察に連絡し、遺体のことを伝えました。

****

結局のところ、この3年間、誰が設置したものなのかは明らかになりませんでした...

でも必ず誰かが、あの遺体を隠す為に設置したものだとは分かります。

それが気になって、僕は毎年毎年、静岡に行くようになりました。そしてあの場所を訪れ、毎年花を手向けています。

そして、先日もあの場所を訪れ、その後漁港に行きました。あのおじさんを見つけられなかったのですが、トイレを借りたかったため、勝手に事務所に入りました。後で、おじさんに伝えようと思っていました。

そしてトイレを借りた後、出ようと思ったのですが、電気ショックについてなにか記事がないかと思って、棚をあさってみたんです。そしたらそこには、電気ショックについての本がありました。

それを見てみると1枚の紙が入っていました。

そこには

「あの小説家が電気ショックを見つけてしまった。即刻、電気を浴びせなければ。ダイビングをする時がちょうどいいだろう。この前、ダイビングの許可を取りに来たからな...」

と書いてありました。

その紙は、漁港のおじさんの机にあった日記の欠片でした。

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