顔
私は道路に倒れている。なぜ倒れたのかはわからない。
思い出せない。
確か、家でお酒を飲んでいたところまでは覚えている。
それからがわからない。
すると、遠くで誰かが呼びかけてくる。
誰だろう? 私は重い頭で考えたが答えは出ない。
その人はどんどんこちらに近づいてくる。
私はいまだに倒れている。
そしたら、まぶしい光が見えた。
車のライトだとわかるのに時間はかからなかった。
それは勢いよくこちらに向かっているようだった。
呼びかけていた人は私の近くまでやって来る。
車のライトで顔は見えない。
逆光のためである。
すると、キキーッという音と、ドンッと何かにぶつかる音がした。
車は私の前で止まった。
私に呼びかけていた人はいなくなっていた。
いや、いた。私を飛び越えて反対側に飛んでいたのである。
そして顔も見えた。ライトがその顔を照らしていた。
その顔を見て私はぞっとする。
私はその顔を忘れることはできないだろう。
だって私が見たその顔は……
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
短くて、すみません。