表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無幻の黄昏   作者: ふみりえ
第二部 七つの大罪と原魔と魔術師
73/76

第七十一話 紡がれし大地

「あっははははは!!どう!!どう!!」


 オーバーアイとオーバードライブ、そのふたつを発動してもなお、俺はシーパに押されていた。


「ぐっ!」


 身体中は傷だらけ、対してシーパは傷一つない。


「もうおしまいかしらね、そろそろ殺すわ」


 !!まずい、またあれをやられたら、この船が完全に壊れる!


 どぼん!


「自ら海に落ちるなんて、何か考えがあるのかしら」







「おい、ノアまだか!?そろそろもたんぞ!」


 マーリンは操縦室にいる間、俺とシーパの戦闘をずっと見ていた。


(輪、何をするつもりだ)








「よし、これでなんとか船は動けるようになった。」


 ノアは全ての箇所を確認し、操縦室へ走った。


(この船の名前の由来、それは、君との約束を果たすためだ!ホイ!)


「......?」


 なぜかノアはある者の名前を考えた途端、頭がぐらついた。


(あれ?ホイ?ホイって....誰だっけ?)


「....いや、ホイは僕の親友じゃないか。何忘れてるんだ!ちゃんと覚えてる、あの日のことも..ちゃんと」


「ノアよ......貴様はいつか来る大天災に備え、船を作っておくんだ。」


(だ、誰だ?僕にそんなことを言うのは誰だ?)









 海に潜ったはいいが、ここからどうするかをまったく考えていなかった。


 どうしよう。


「!!」


 すると、シーパが天災、ウェーブを発動したのだろう。


 周りの海水が竜巻となって襲いかかる。


「がばっ!ごほっ!」


 まずい!水を大量に飲んでしまった!!早く上に上がらないと!


 しかし、竜巻が激しく、上に上がれない。


 どうすれば......


 俺はしばらく考えると、


 そうだ!あれを使えば!


 ひとつの技を出すことを決める。


 天災には天災をぶつける、それで威力は相殺されるはずだ。


 剣を上空へ向ける。


「......メテオ!!!」









「そろそろ死んだかしら」


 シーパは空に浮いたままウェーブを発動していた。


「それにしても、やっぱりこの技は少し疲れるわね。」


 すると、突然上空の雲が裂ける。


「!!」


 そこには、信じられない光景があった。


「まじ?......隕石......」


 空から隕石が降ってきたのである。


「くっ!!きゃ、きゃあああああああ!!」


 隕石がモロに当たり、シーパは海中の底まで沈んでいった。









「ぷはっ!」


 シーパのウェーブが消え、急いで海面へ上がると、そこには雲が割れた後があり、シーパの姿はなかった。


「か......勝ったぁ......」


 俺は安堵し、力が抜けると、海の中に溺れてしまった。


 このまま死んじゃうかもな、でももう体が動かないや


 俺の体はシーパによってボロボロに傷つけられ、1ミリも動けなかった。


 このまま沈んでいくのを待っていると、


「おーい、輪ー!」


 突然声がし、その方向を見ると、


「まじかよ......」


 なんと、約束の船が海の中に潜っていた。


 その中でマーリンが声を上げ、ノアが操縦していた。


 潜水艦かよ......










「ぴゅー、ぴゅー、ぴゅー」


「起きろ輪ー!死んじゃダメだー!もうすぐ島に着くんだぞー!」


「はっ!ここマダガスカル!!」


 目を覚ますと、そこは海上のようで、マーリンが蘇生術をしていたようだった。


「さんきゅー、マーリン。あれからどうなったの?」


 マーリンに話を聞くと、あの後、俺を助けてから、3時間経ったらしい。


「シーパは、どうなったの?」


「あの女なら海中の底まで沈んだよ、もちろん助けなかったがな!」


 それを聞くと、俺は少し心配したが、


「それで、あの、船が海中を潜ってたような気が」


 それについては、ノアが説明してくれた。


「この船には潜水機能がついていてね、今はまだ僕しか操縦できないけど、そのうち、誰でも操縦できるようにするよ。まぁ、一歩間違えば、沈んじゃうとこだったけどね。」


「なっ、そんな危険を犯してまで、俺の事を助けてくれたなんて」


 するとノアはニコッと微笑むと、


「約束だからね」


「「?」」


 言ってる意味が分からなかったが、気にせず周りを見ると、


「あ、あれが島じゃない?」


 それを聞いたマーリンが身を乗り出しながら、


「おぉ!あれが我が新たなみちしるべ!!」


 マーリンが身を乗り出しているところを、俺は服をつかみながら落ちないようにし、ノアと一緒に島を見た。


「今度は、ちゃんと無事に着いたよ。」













「それじゃ、ここでお別れだね」


 ノアとその他の乗組員が俺とマーリンに別れの挨拶をし、俺たちはその場から歩いた。


「じゃあねーー!!また会おうねー!」


「さらばだ!我はこの出会いを永遠に忘れないぞ!」






 しばらく街を歩いていると、突然マーリンが立ち止まった。


「どうしたのマーリン」


「輪、今までありがとうな」


 いきなり何言ってんだこいつ


「我は時空の番人マーリン、今まで共に旅をしたお前ならわかると思うが、時空の番人はそう易々と地上を歩き回れなくてな」


 いきなり何言ってんだこいつ


「今回の旅はなかなか楽しかったぞ、しかし、我は感じる。貴様とはまたいつか会うだろう!」


 いきなり何言ってんだこいつ


「どしたのいきなり?早くご飯食べに行こうぜ」


 正面を向き直し、再び歩き始める。


「ここでお別れだ、輪」


「いきなり何言ってんだこいつ......」


 俺は立ち止まり、ため息を漏らすと、マーリンの方を向く。


 しかし、そこにマーリンはいなかった。


「マーリン?」


 どこ行ったんだあいつ


 周りを見るが、どこにもマーリンの姿はいなかった。


「あいつ、もしかしてほんとに」


 しばらく俺はそこに立ちつくしたままだった。


「時空の番人、マーリンか......」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ