第六十六話 七つの大罪
久しぶりの裏の世界に着き、若干懐かしい気持ちになった。
「うえっ、なにこの空気、気持ち悪い。」
「なんか、魔獣の竜と戦った時と同じ感じがする。」
ああ、だから俺はあの時何ともなかったのか
ノリスは本を開き、大罪の居場所を調べた。
「えーと、裏の世界にいるのは色欲、憤怒、暴食、だね。」
「よし三手に別れよう、私とノリスは暴食、輪くんは憤怒、マーリンは色欲、これでいいね!」
そして、俺たちはそれぞれの居場所を教えてもらい、その場から離れた。
「天の次元では空気だったからな、今度こそ、我の偉大さを教えてやろう!」
でこぼこな道をマーリンが歩いていくと、つまづいて転んだ。
「くっ!!これが色欲の罠か!卑劣な!!」
「いやそれ私の罠じゃないんだけど。」
突然上から声がし、振り向くと、崖の上にそれは美しい女性が立っていた。
「怠惰から話は聞いてるけど、あなたはあんまり関係ないわね。」
「お前か!我をこんな罠に落としたのは!!我は時空の番人マーリン!!これで会ったことになるよな?」
「まぁそうだけど、ちょっと休んでかない?こんな空気の淀んだところで疲れたでしょ?私の住処まで案内するわ。」
「わーい、休む休むー!」
マーリンはニコォとなり、色欲の後を付いて行った。
「ふー、暴食はどこにいるのよー!」
ノリスとネオスはでこぼこした道を進みながら、不満を漏らしていた。
「この辺のはずなんだけどなー。」
しばらく歩くと、なにやら音が聞こえてきた。
「何この音。」
「何かを食べてる音?」
音のする方向へ向かうと、そこには魔獣の死骸を沢山食べている男がいた。
「むしゃむしゃ、うんまーい。」
口の周りを血まみれになりながら、一心不乱に死骸を食べ続ける男を見て、二人は臆した。
「ど、どっちが話しかける?」
「の、ノリスからどうぞ。」
「いやいやネオスからで。」
「いやいやノリスからで。」
お互いにお互いを前に押し、気づけば二人とも、暴食の目の前に立っていた。
「「あ」」
「さっきから気づいてるよ、怠惰に言われて来たんでしょ?」
暴食は食べながら話し、二人に自分の食べてる死骸を渡す。
「い、いや結構。」
二人が拒否すると、暴食は差し出した食べ物を戻し、それを食べ始めた。
「さて、腹も膨れたし、試練といこう。」
「試練?」
「僕と戦って勝てたら次の大罪に会うことを許すよ。」
ノリスとネオスはお互いの顔を見て、覚悟を決めた。
ネオスは水晶を、ノリスは傘を構え、三人の戦いが始まった。
「はあ!はあ!はあ!」
俺はひたすら逃げていた。
あいつ、めちゃくちゃだ!
俺が裏の世界を歩いていると、突然憤怒の大罪が姿を現し、俺が視界に入っただけで、怒り狂って攻撃してきやがった。
「くっ!」
剣を抜き、憤怒が姿を現すのを待つと、目の前に現れた。
「はああああ!!」
憤怒は大剣を使い、斬りかかってきた。
俺と憤怒の攻防が続き、お互いに傷つけあう。
「うおおおお!!」
「おらあああ!!」
いつまでも攻防が続き、周りに斬撃が飛ぶ。
俺は一旦、その場から離れ、岩陰に隠れる。
今のうちに、オーバードライブを
「見つけたぞ。」
「!!」
直ぐに憤怒に見つかり、俺は大剣の攻撃を防御する。
俺は逃げながら、幻光のための光の玉を10個用意する。
「くらえ!!」
10個の玉が揃うと、一気に剣に魔力を込め、発射する。
それを憤怒はギリギリで避け、大剣を俺の肩に掠める。
「ちっ!」
俺は憤怒の方を向き直すと、幻影を剣に付与する。
「なんだその能力は......」
憤怒が魔法を発動しようとし、俺はそれを幻影で消す。
「!!なるほど、魔法を消す能力か。」
再び剣と剣の攻防が続き、体力だけが消費されていった。
「な......なんでこんなことに......」
「うーん、チューはダメよ。」
マーリンは色欲に押し倒され、その衝撃で色欲がマーリンの体に抱きついた。
「私、もうダメみたい。」
色欲は服を全て脱ぎ、マーリンに見せる。
「わ、わわわ、ダメだよ、僕はそういうことやったことないし。」
マーリンは困惑した様子で、目に手を当て、見ないようにしていた。
「いいよ、あなたならヤッても。」
色欲がマーリンの体に触れる瞬間、
「!!」
マーリンの眼帯の目が光だし、色欲がその場から後ろに下がった。
「なに?」
「こ、これは!?」
マーリンは眼帯を長い時間をかけ、外し、目を開ける。
「な、その目は!?」
「これは真実の眼差し、相手の真実をさらけ出すのだ。」
「私は本気よ!あなたとならいいの!」
「我は時空の番人マーリン、我が真実の眼差しを以て、貴様を倒す!!」
マーリンは立ち上がり、左手の包帯を掴み、一気に剥がした。
「その腕は!?」
「この腕は悪魔の腕、我が呪いをもって、貴様を倒す!!」




