第六十二話 玉との共闘
ネオスとパーティを組み、早速ギルドの掲示板を見て、依頼を探す。
「なににしようかなー?」
ネオスがしばらく依頼を探すと、一つの紙を剥がし、
「これに決めた!」
と、差し出してきたのは、魔獣の討伐だった。
「え、大丈夫なの?君魔獣と戦ったことある?」
「ないけど、なんとかなるよ!あーし超強いから。」
ネオスが依頼を受注し、俺がギルドから出ようとすると、
「あ、ちょっと待って、占いするから。」
ネオスがテーブルに自身の水晶玉を置き、椅子に座る。
俺も椅子に座り、占いの結果を待つ。
「ぼこちんぼこちんはれるやはれるやさしあたのとんとんななびょうしあんだらあんだらぬきぬきたぬき」
この人、玉の原血なのか。確か、原魔六血家はアルンが杖の原血、ルーナが箒の原血、パールが本の原血、そして、ナルが札の原血だったかな。最後の一人は傘の原血だったかな。
そんなことを考えていると、占いの結果が出た。
「なになに?本日、日当り良好、警戒、解くべからず。さすれば、自身の思い通りにいくであろう、だって。きゃー、良かったー!さぁ、行こう!」
ネオスに手を引かれ、魔獣の住処まで走った。
「さあさあ!魔獣を倒すぞー!」
「ちょちょっと待ったー!」
突然、どこからか声がし、辺りを見渡すと、木の影にあの二人組が現れた。
「あ、キチとガイだ。」
「キチとガイ?なにそれ?」
「俺たちの荷物を奪おうとする奴らだ。」
「なにそれ意味わかんない。」
キチとガイはしばらく決めポーズをしている。
「まぁ弱いからスルーしよ。」
「弱いんだ、じゃあ無視無視。」
二人をスルーし、歩き始めると、二人は慌てた様子で走ってきた。
「ちょちょちょ、なんでいっつもそんなあっさりなの?俺ら大悪党よ?悪者よ?もうちょっといい感じな反応してくれても良くない?」
「こっちの気持ちを考えてよー!」
めんどくせー
「あそうだ、ねぇねぇ、君らもちょっと付き合って貰えないかな?」
「なんだい?」
俺は二人にこれから魔獣の討伐に行くことを話した。
そこで、一緒に魔獣を倒すのを手伝ってくれないかと頼んだ。
「ま、ままま、魔獣だと?」
「嫌よそんなの!死ぬに決まってるじゃない!」
そして、二人はその場から走って逃げた。
「なんだったの?あの二人は。」
「まぁ、小悪党だね。」
森の中を歩くと、でかいほら穴を見つけた。
「この中に魔獣がいるのね。」
魔獣とは、裏の世界から迷い込んだ生物のことだ。神獣はその体の一部が素材として高値で売り払われている。魔獣も同様に、体の一部の素材がとても高く売り払われるので、大抵の討伐依頼には素材の回収も依頼の内容に入っている。しかし、地の次元の生物とは違い、神獣や魔獣は元の自分たちの世界以外では子を作らず、たまに街に来て、害を与えるので、害獣として知られている。
「それじゃ、行きましょうか。」
「うん。」
ほら穴の中を進み、周りを見ると、珍しい鉱石が所々に生えていた。
しかし、そのどれもが異様な妖気を漂っていた。
「周りの鉱石がこんなになってるなんて、多分、強いぞ。」
鉱石は俺が裏の世界で修行した時に何度か見たが、ここまでどす黒くなっているのは初めてだった。多分、今まで会った神獣や魔獣の中で一番強いかもしれない。
「!!」
突然気配を感じ、俺は剣を抜いた。
ネオスも水晶玉を使い、警戒をしていた。
すると、
「!くるぞ!」
「おっけー!」
暗闇から普通サイズの魔獣が飛び出し、俺たちに襲いかかった。
剣を構え、魔獣の横に回ると、すぐに首を切る。
もう一体の魔獣はネオスが水晶玉から魔法のビームを放ち、跡形もなく消し飛んだ。
「さすが、原魔六血家だな。」
「えへー、すごいでしょ?」
それからも洞窟の中を進んでいくと、何体か魔獣が飛び出し、それらを倒していった。
おかしい、魔獣は子を作らないはずだ、なのに、なんでこんなに魔獣が出てくるんだ?しかも、出てくる魔獣は狼や虎、鳥など様々だ。
やがて、洞窟の奥地に着くと、そこはどす黒い鉱石が沢山あり、異様な雰囲気が漂っていた。
「なに?この匂い。胸が苦しい。」
ネオスが息苦しそうに呼吸をしていた。
「大丈夫か?」
確かに、俺は苦しいまではいかないが、これほどまでに変な感じのする空気は初めてだ。
ネオスをその場で休ませ、俺は奥地を調べる。
「!!」
鉱石が沢山集まった場所を除くと、そこには一匹の巨大な魔獣の竜と、たくさんの魔獣達がいた。
「そうか、ここにいる竜以外の魔獣は元々は普通の動物だったんだ。魔獣の竜のオーラで後天的に魔獣になったってことか、通りでネオスが息苦しそうにしているはずだ。」
しかし、この量はさすがに......
俺は一旦ネオスのところに戻ると、
「さすがにあれは多すぎる、ギルドに要請して、レイドを組んで挑もう。」
「そんなに多かったの?」
「ああ、あの数はさすがに俺らでも.......?」
俺が喋っていると、ネオスが血の気の引いたとんでも顔をしだし、俺は察する。
ああ、やるしかないのか。
俺は剣を抜き、後ろを振り返る。
そこにはとてつもない大きさの竜とたくさんの魔獣達が俺らを見つめていた。
「しょうがない、ネオス、やるぞ!」
「......!うん!」
ネオスは何個かの水晶玉を使い、反撃の用意をした。
竜が雄叫びを上げ、一斉に他の魔獣達が襲いかかった。
「はああああ!!」
剣を構え、向かってくる魔獣達の首を切り落とす。
ネオスの方を見ると、たくさんの水晶玉を使い、周りの魔獣達を倒していった。
次にくる魔獣の腹に剣を突き刺すと、ぐるぐると回して、他の魔獣へ投げた。
すると、竜の魔獣が口から火を噴いた。
「くっ!」
能力、幻影を発動し、炎を無効化すると、竜の元に走った。
が、それを他の魔獣が邪魔し、俺はなかなか竜の元にたどり着けなかった。
「輪くん!」
ネオスが突然俺を呼び、振り向くと、そこには円形の空飛ぶ魔法の円盤があった。
「これに乗って!」
すぐにその魔法に飛び乗ると、空中に動き出し、竜の元まで飛んだ。
「行ける!!」
竜の真上まで飛ぶと、オーバーアイとオーバードライブを発動し、俺はそこから飛び降りた。
そして、竜の頭上までくると、無双ラッシュを繰り出した。
「ぎゃあああああ!」
竜が悲鳴をあげ、その場に倒れる。
俺が地面に降りた瞬間、周りの魔獣達が一斉に襲いかかると、ネオスがそいつらを全て撃退した。
「ふう、これでおしまいだね。」
「うん。」
そして、俺たちはお互いにハイタッチをした。




