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無幻の黄昏   作者: ふみりえ
第二部 物語の始まり
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第五十六話 たい焼き大会

「さあパール!一緒にたい焼き大会に出ようぜ!」

「出よう!」

 ルーナとアルンが共にパールたちの元に戻った途端、パールに話を持ち出した。

「あなたたち、喧嘩は終わったの?」

「おう!お互いにほっぺたにチューして終わったぞ!」

「うん!」

 パールは安心したような顔をすると、スっと立ち上がり、

「それじゃ、大会にエントリーしに行かなくちゃね。」








「えーと、参加者はルーナさん、アルンさん、パールさんでよろしいですね。」

「はい。」

「材料は参加者以外の人が集めてもかまわないが、料理をするのは参加者のみ可能だ。わかったね?」

「はーい。」

 エントリーが終わり、ルーナ達は早速材料の仕入れを開始した。



 が、




「えー!もうないのかよ!」

「そんな......」

「困ったわね。」

 ルーナ達はひとつの店で立ち止まり苦悶の表情をしていた。

「お前らどうしたんだ?」

 俺たちが聞くと、

「実は、たい焼きに使う材料が全部品切れなの。」

「えぇ!?あと一時間で調理を開始しなくちゃいけないんだろ?どうするのさ。」

 俺たちがその場でなにかアイデアを考えていると、

「へいへいへーい!材料がないのかいねーちゃん達!」

 何やら声がし、その方向を見ると、そこにはたくさんのたい焼きの材料が入った袋を持った人達がいた。

「あ、ちょっと、余ってるならそれくれない?お金は払うから!」

「へっへっへ、嫌だね、この街に残ってる材料は俺たちが全て買い取った!あんたらが出せるたい焼きはねーよ!」

 そう言って、その人達は大会の調理室に入って行ってしまった。

「は?なんだあいつ、煽ってきただけ?ぶん殴ってやろうか?」

 俺たち全員があいつの処刑方法を考えながら、この場の打開方法も探していた。

「どうしよう。」

「僕達で他の街に行って、そこで買ってくればいいんじゃないかな?」

 キイが突然名案を言い放ち、

「「「それだ!!!」」」

 と言うと、

「それじゃご褒美に君らのおっ〇い吸わせぶふぉ!」

 サタールに殴られる。

「それじゃ、みんな、ここに材料の紙があるからこれを集めてきて。」

 アルンに紙を渡されると、俺たちはすぐに別の街に向かった。

 俺だけ徒歩だけど。









「残り30分、何とか間に合うな。」

 サタールとキイとリーノ、材料ゲット





「ふー、あって良かった。」

 ラノとリナ、リオン、材料ゲット。





「ナルさん、あったよ!」

「わーい、やったー!」

 ナルとハルネ、材料ゲット。








「これだ。」

 俺は材料をゲットすると、すぐに街へと走った。

「残り20分、このペースなら余裕で間に合うな。」

 そのままのペースで走っていると、突然どこからか雄叫びが聞こえた。

「狼か?でも今は構ってる暇はないんだ。」

 雄叫びを無視し、森の中を走っていると、

「だ、誰か助けてー!」

「!!」

 突然、誰かの声が聞こえ、俺は悩みながらも、声のする方向へ向かった。

「いた!」

 そこには先程雄叫びを上げた狼と、それに襲われそうになってる老夫婦がいた。

「くっ!」

 急いで、老夫婦の盾になると、狼は俺が持ってる材料の袋を噛みちぎった。


 嘘だろ......


 すぐに剣を抜き、狼の首を切ると、狼の死体が地面に落とした材料に触れる。

「あ、あの助けてくれて、本当にありがとう。」

「ああ、いや、全然。そんなことより......」


 やばい、どうする?もう一度街に向かうか?でも、時間が無い。


 その場でこぼれた材料を見つめていると、老夫婦が

「それでしたら、家に在庫があると思うので、お譲りしようか?」

 と言い、俺は老夫婦を背負って、急いでその人達の家に向かった。








「輪はどうしたんだ!このままじゃ間に合わねーぞ!」

 俺以外の全員が材料を運び終わり、観客席に移動していた。

「調理開始まで、あと一分!!」

「もうダメだ、おしまいだ。」

 ハルネが諦めた顔をすると、

「へっ!無理無理、あんたらはリタイアだよ!」

 先程、絡まれた人達にまたからかわれ、キイ達が怒りの表情を顕にすると、サタールが立ち上がり、

「俺、ちょっと見てくる。」

 と言って街の入口に走ろうとすると、

「はぁ!はぁ!はぁ!」

「あ!」

 全速力で俺は走っていた。

 何とかギリギリ間に合い、アルン達に材料を渡す。

「ちっ!」

 からんできた人達はすぐに自分たちの調理にかかった。

「ありがとう輪、私たち、頑張るよ。」

「はぁ、はぁ、うん、がんばってな。」

 俺はサタール達のいる観客席に座った。








「へっへっへっへ、これでおしまいじゃねーぞ。」

 からんできた男達はルーナ達の目を盗み、ボウルにデスソースを入れる。

「あ!ねぇルーナ、どうしようボウルの中に満遍なくデスソースが!」

「な、なにぃ!?」

 男たちはニヤリと笑う。

「危なかったなぁ、二つ目作っといて。」

「!!」

 ルーナは時空収納から予め作っといたボウルを取り出す。

「ちっ!次だ次。」








「へっへっへ!あいつらが見てない隙に、泡立て機をバラバラにしてやったぜ。」

「兄貴パネェっす。」

「これであいつらはおしまいだ!」

 自分たちの調理も進めながら、アルン達の様子を伺うと、

「ルーナ大変、泡立て機が見るも無惨な姿に!」

 アルンが気づき、ルーナに伝える。

「ありゃりゃ、誰だよこんなんにしたのは!まったく。まぁ私たちは魔法で混ぜるからいいんだけどな。」

「だね。」

 そして、アルンは魔法でボウルの中の材料を混ぜ合わせた。

 それを見た男たちは顔を驚愕させた。

「な、なあもうこれ以上やっても無駄なんじゃ。」

「ちっ、まだだ、最後にとんでもないのをやるぞ!」








「調理終了まで、残り5分!!」

 俺たちは観客席で暇を潰していると、

「ここで皆に、今回の大会の優勝賞品を見せようと思う!それはこの人だ!!」


 この人?


 そこには

「たぁすけてー!」

 檻に閉じ込められたターナがいた。

 俺たちが口をめいっぱい開けながら驚いていると、ターナは再び舞台裏へと連れてかれた。

「これ、絶対に勝ってもらわなくちゃ。」








「これが!最終手段だー!」

 アルン達が、混ぜ合わせた材料を型に入れようとすると、突然、どこからかボールがボウルにぶつかり、ボウルが床に落ちる。

「あ」

「ニヤリ」

 アルンとルーナはそれを見ると、顔がどんどん青ざめ、

「あああああ!!どうしよどうしよ!」

「どうすんだどうすんだ!」

 それを見た男たちは

(勝った!!もう満足だ!)

 涙を流しながら、自分たちの調理が完成する。

「へっ、じゃあな御三方、また来年出直してこいや!」

 調理室から人がいなくなり、アルンとルーナが涙を流していると、

 パールが近づく。

「パール?どうしたの、あなたにはクリーム作りを手伝ってもらってたはずだけど。」

「これを。」

「「!!」」

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