第五十五話 最初の一歩
「あ、おーい!ルーナさんアルンさーん!」
俺たちが街から出ようとすると、アルンとルーナを見つけ、安心していると、
「お前らどうしたん?」
何故かアルンとルーナの仲が悪く、言い合いをしていた。
「はぁ!?あなたが悪いんでしょ!」
「いいや、お前だ!」
「なによ!いつもだらしがないいい加減野郎が!」
「はぁ?なんだとこの金大好きいつかお先真っ暗貧乏野郎!」
「「ふん!」」
突然、アルンとルーナは別々の道に行ってしまった。
「あ、アルンさん!」
「ルーナー!」
アルンにはラノとリナ、ハルネ、リーノ。
ルーナには、キイ、リオン、サタールが着いて行った。
残りの俺たち三人は二人にはついて行かず、近くのカフェに行った。
「あいつらが喧嘩って、いつもの事なの?」
「いや、あそこまで大きい喧嘩は見たことないわね、なにがあったのかしら。」
「仲直りしてくれるといいんだけどねー!」
「ちょっとルーナ!待ってよ!」
ルーナがすたこらさっさと歩く中、リオン達は必死に追いかけた。
「着いてくるなよ!これは私とあいつの問題だ。」
「だからって、ほっとく訳にはいかねーよ。」
「そうだよ、僕たちに話してごらん。」
すると、ルーナは立ち止まり、何があったのかを話した。
「なーるほどなぁ、それは喧嘩になるな。」
「だろ?あいつが悪いんだよ、私はただ自分を大事にしろって言ってんのに。」
ルーナ達が歩いていると、看板に目を向けた。
「なになに?今夜たい焼き大会があるんだってな。ルーナ、アルンと出てみたらどうだ?」
「絶対嫌だ!あいつはもう知らん!」
ルーナがギルドに行くのを見て、三人は呆れた顔をした。
「アルン、たい焼き大会だってさ。」
「ふーん、出てみようかな。」
「ルーナと一緒に?」
「パールと一緒に!」
アルン達はギルドに向かい、依頼を探すと、それを受注した。
「ん?」
「ん?」
横を見ると、そこにはルーナ達がいた。
「ふん!」
「ふん!」
二人は一緒にギルドから出て、同じ道を進んでいた。
「なんで着いてくんだよ!」
「こっちに用があるの!そっちこそ着いてこないでよ!」
「私もこっちに用があんだよ!」
アルンとルーナが言い合いをしながら進むと他の人達とはぐれてしまった。
二人はそんなことにも気づかず、目的地まで言い合いをしていた。
「言っとくけど、私の討伐対象は龍だから。邪魔しないでよ。」
「あ?私も龍を討伐しに来たんだよ。そっちこそ邪魔すんなよ。」
二人は睨み合うと、襲いかかってきた龍へ迎え撃った。
「おら!」
ルーナが攻撃を続け、龍を傷つけるが、あまりいいダメージが与えられずにいた。
(こんなやつ、本気を出せばすぐに倒せんのに。本気を出したら周りの地形が変わっちまう。それに素材も回収しなきゃだしな。)
ルーナが箒に乗りながら龍からの攻撃を避けていると、アルンが下からアルテミスの弓矢とヘラクレスの弓矢で攻撃していた。
「だから、邪魔すんなって言ってんだろ!」
「あなたが邪魔しないでよ!」
こんな時でも言い合いは止まらず、それに気を取られたルーナが龍のしっぽで叩かれる。
ルーナはアルンの元まで吹っ飛びアルンにぶつかる。
「ちっ!」
「!!」
体制を立て直すと、龍が二人を上に上げ、火を吹く。
「!!危ないアルン!」
寸前でルーナがアルンを突き飛ばし、火に包まれたのはルーナだけだった。
「!!ルーナ!」
地面に倒れたルーナをアルンは必死に治癒魔法をかける。
「ああもう仕方ないわね!起きてよルーナ!こんな所で死ぬなんて許さないんだからね!謝ってもらわないと許さないから!」
治癒魔法をかけ終わると、ルーナが立ち上がり、
「ふん!余計な真似を!」
「はあ!?治癒してやったのに何その言い草!」
「元はと言えば、私がお前を助けたんだ!これでどっこいどっこいだろ!」
「じゃあ、あの時も私を守ってよ!」
「!!」
「ばか!ルーナのバカ!そんなに私が大事なら、あなたが私を守ってよ!」
そう言うと、ルーナは驚いたような顔をし、
「はぁ!お前の方が馬鹿だし、私は天才なんだよ!ばーか、ばーか!」
「そっちがバカだよ!ばーかばーか!」
二人が馬鹿馬鹿言い合い、しばらく経つと、二人はスッキリしたのか、一緒に龍の方向を向いた。
「バカ。」
「バカ。」
龍が正面から襲いかかり、二人でそれを魔法で受け止めると、上に流す。
すると、龍が上からさらに襲いかかってきた。
「あれ、やってみるか。」
「わかったよ。」
二人は魔力を合わせると、
「合体魔法、ライデン・ストライク!」
ひとつの鋭い矢に雷が走り、その矢が龍を貫く。
そして、龍は倒れた。
「ふー、終わったな。」
「うん。」
ルーナは頭をポリポリかくと、
「アルン、その、わるかモグっ」
「私とあなたとパールで、たい焼き大会に出るよ、私が作るのはこれより何倍も美味いたい焼き。わかった?」
ルーナはたい焼きをもぐもぐと食べ終わると、ガッツポーズをした。
「おうよ!」
2人は帰ろうとすると、崖から岩が落ちてきて、ルーナの頭にあたる。
そのままルーナが衝撃でアルンの顔にくちびるがあたり、チューをした。
「いってぇな!!このクソ岩が!!」
ルーナが岩を何度も蹴っていると、アルンは顔を赤らめながら、お返しのチューをした。




