第五十三話 咆哮
「なるほど、この木がこの森のいちばん深い場所、中央ってわけだったのか」
「それにしてもいきなり地下への穴がしまっちゃいましたが大丈夫なんでしょうか。」
「そだねー。」
閉まった穴で地上にいる全員が休んでいると、突然下からビームが出現し、そこに休んでいたやつらは上空へ吹っ飛んだ。
「あれ?他の奴らは?」
「まったく、私たちを置いてどっか行っちゃったのね。困った連中ね。」
「みんなに置いてかれちゃったねーー!!」
「上で待っててって言ったのに!」
しばらくその場でみんなが来るのを待っていたが、いつまで経っても帰ってこないので、次の街に進むことにした。
「魔法でみんなに向けての手紙を送るから。」
パールが次の街へ向かうことを手紙に書くと、魔法で手紙が鳥の形になり、飛んで行った。
「よし、これではぐれたみんなとも次の街で出会うことが出来るわ。」
「そいじゃ、行こうか!!!」
「今日はここで野宿しましょうか。」
俺たち四人は、街へと向かう途中、暗くなってしまったので、川の近くの場所で野宿することにした。
「輪さん、魚を釣りに行こう。」
ハルネに誘われ、俺達は魚を釣りに行った。
「そーれ!」
釣り糸を垂らし、魚が釣れるのを待ってる間、ハルネが話しかけてきた。
「ねぇねぇ、輪さんの好きな食べ物はなに?」
「え?えと、唐揚げ、かな?」
「唐揚げが好きなんだ!私はね、鮎の塩焼きなんだよ。」
「へぇ、鮎はおいしいもんな。」
「ということで、魚が釣れたら次は鳥を取りに行こう!」
「鳥だけに?」
頬を殴られた。
しばらく経つと、鮎が数匹釣れ、俺たちは鳥を探しに行った。
「ねえ、ナル、あなた、私たちの訓練が終わったら家に帰るの?」
「うーん、私は一応家を出た身だからなぁ。お母さんやお父さんにも見送られたし。」
パールは少し俯くと、
「あなたのご両親はちゃんとした親だったのね......」
「ん?なんか言った?」
「い、いや、なんでもないわ。それでね、もし行くところがないなら、私たちの里に来ない?」
パールがナルに業の里のことを伝えると、ナルは嬉しそうな顔をし、
「うん!!そこに住むよ!!きっと楽しいと思う!!ありがとうパール!チューしちゃう!」
一方その頃
「ああああああ!!」
「きゃああああ!!」
ルーナとアルンはあのビームから吹っ飛ばされた後、近くの街に飛ばされた。
「いてて、んだよもぉ!!」
「ちょ、ちょっとルーナ、重い......」
「あ、悪い悪い。」
周りを見ると、突然飛んできた二人に驚き、視線を向ける人達がいた。
「なんだなんだ、見せもんじゃないぞ、散れ散れー。」
ルーナの言葉に周りの人が視線を戻し、歩き出す。
「さて、とりあえずお腹が空いたなぁ。」
「あ、そうだ、ギルドに行ってみない?あそこは飲食店でもあるし。」
アルンがそう言うと、ルーナとアルンは空腹を我慢し、ギルドに向かった。
「うんめー。」
「ほんと、おいしー!」
次から次へと出てくる料理を片っ端から食べ、酒を飲み、豪遊すると、二人は満足した様子だった。
「ふー、お腹いっぱいだぁ。」
「うん、もう食べられない、さて、お会計お会計。!!!」
アルンは自分の財布の中を見たまま固まってしまった。
ルーナはそんなアルンを見て、肩に手を叩き、一緒にアルンの財布の中身を見ると、
「あ、ああ、あ」
ルーナはたくさんの汗を流しながら、自分の財布の中身も確認する。
「あ、だ、だだだ、大丈夫だアルン。私たち二人ならギリギリ払える!」
「よ、よかった......で、でもこれからどうしよう......」
とりあえず、料理の代金を払い、食べていたテーブルで二人は俯いていた。
「......」
「......」
「「そうだ!!」」
二人同時にお互いの顔を見る。
「「冒険者になればいいんだ!」」
早速、二人は受付に行き、冒険者カードを発行してもらった。
「よし、これで私たち、冒険者だ!」
次に、依頼を受注するため、掲示板に向かい、依頼を探す。
「これなんてどうだ?」
「どデカい虎の討伐と素材回収、いいんじゃない?でも今日はもう暗いし、明日にしよう。」
「そうだな、ギリギリ宿を取れる金はあるし。」
受付に行き、依頼を受注し、討伐は明日にすることにした。
宿を取りにこの街で一番安い宿を取る。
「ベッドひとつしかないのか。」
「まぁ私達二人で寝ればいっか。」
シャワーを浴び、疲れた二人はすぐにベッドに潜り、眠りについた。
パールが二人に送った手紙は届いたが、眠っていたので、その日に二人は気づかなかった。
一方その頃
「さて、これからどうしようかな。」
サタールとキイは吹っ飛ばされた場所から比較的近い場所に飛ばされた。
「ん?」
突然、空から鳥のようなものがサタールたちの元に飛んできた。
それはパールが二人に送った手紙で、二人はそれを確認すると、次の街へと向かった。
「さぁ、行くぞキイ!」
「はいはい!」
ムニュ
キイはどさくさに紛れ、サタールの胸を揉むと、顔がめり込むほどの強さで殴られた。
一方その頃、
「なーるほど納得。」
リーノとリオンはパールからの手紙を読むと、今日のところはその場で休むことにした。
「リオン、君は食べれそうなものを取ってきてくれないかい?」
「おっけ。」
リーノは釣りに、リオンは食べれそうなものを取りに行った。
一方その頃
「ねぇねぇ、ラノ。勝負しない?」
「勝負?」
リナはニヤリと笑いながら、
「川で魚をどっちが多く取れるか勝負。」
「いいねそれ、それじゃ、竿を出して、いっくよー!」
二人は川の近くに飛ばされ、釣りの勝負をすることになった。
しかし、俺たちとリオン達とラノ達は同じ川の流れにいる事は誰一人気づかなかった。




