表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
無幻の黄昏   作者: ふみりえ
第二部 物語の始まり
47/76

第四十六話 冒険者は暇人

 次の日、俺とナルはギルドに行き、依頼の失敗を告げた。

「なーはっはっはっ!だから俺たちと一緒に行けばいいって言ったじゃねーか!」


 こいつはいつもいつもギルドにいて暇なのか?


 俺はそいつらを無視し、他の討伐系の依頼を探す。

 ナルも一緒に依頼を探していると、

「ひひっ!」

 酔った男がナルの元に行き、ナルのおしりを触ろうとする。

「いて!」

 その腕を俺が掴むと、男は引き下がり、また酒を飲んだ。

「けっ!女連れとはいいご身分じゃねーか!」

「おいねーちゃん、そんな依頼も満足にこなせねーやつとは別れて、俺たちと一緒に来ねーか!」

 それを聞いたナルは不機嫌そうな顔をし、

「べーっ!輪をいじめるやつとは行きたくないよォだ!へっ!」

「なっ!ちっ!」

 ナルは再び掲示板に視線を戻すと、ある依頼の紙を指さした。

「ねぇねぇ輪!これなんかどう!」

 それは超大型甲虫、ヘリクロスの討伐依頼と素材回収だった。

「なんでもヘリクロスの殻は超かたい鎧の素材になるんだって!」


 へぇ、それじゃそれにしようかな。


 受付で依頼を受注すると、早速近くの店に向かう。

「なんでお店に行くの?」

「木にヘリクロスの好きな蜜を塗るんだ。これで誘き寄せるんだ。」

 蜜を買い、森中の木に蜜を塗ると、俺たちは街に戻った。

 俺が宿で休もうとすると、ナルが出かける準備をしていた。

「ちょっとこの街を探検してくるね!!」

「暗くなる前に帰ってきてね、夜には蜜に釣られてヘリクロスが来てるかもしんないから。」

「おっけーバーテンダー!!」








「ふんふふんふふーん!」

 街の探検が終わり、辺りも暗くなり人通りが少なくなると、ナルも帰ろうとした時、

「むぐっ!?」

 後ろから口に布を当てられ、路地裏に連れていかれてしまった。

「むぐっ!むぐむぐむぐ!」

「しー、静かにしてくれよォ、ねえちゃん。」

 目の前にいる男たちは始めてみる人達でナルはこれから何がされるか分からない様子だった。

「喋ったりしたらこのナイフでいたぁいことになるからなぁ。」

 ナルは脅えながらしばらく必死で抵抗していた。

 空からは雨が降り、ナルの悲鳴はかき消されていた。








「......」


 ナル、遅いな


 外を見ると、雨が降っており、時間を確認すると、

「嫌な予感がするな。」

 俺はコートを着ると、走って宿から出て、ナルを探した。

 街中を走り回り、見つからなかったので、宿に戻っているのかと思い始めた時、路地裏から声がし振り向くと、そこには下着を脱ぎ、ナルを取り押さえてる男数人と、それを見張る男たちがいた。

「お前ら、なにやってんだ?」

「お、お前も入るか?これからなんだ。」

 ナルは泣きそうな顔をしながら必死に抵抗した。

「お前ら......」

 一瞬、前世の世界を思い出す。

 俺はその場から歩き出すと、男たちは危険を察したのか、

「お、おい!あいつを取り抑えろ!」

 その言葉に男数人が俺に襲いかかると、俺はそいつらを避け、転ばせる。

「ひっひぃ!」

 仲間が転んだのを見ると、男はナルの首元にナイフを当てた。

「こ、これ以上来たらこの女は死ぬことになるぞ。」

「やってみろ......」

「あんだって?」

「やってみろっつってんだよ!!」

 その迫力に押されて、男がその場に固まっていると、突然、近くの家の屋根から、別の男が降りてきた。

 その男はナルを掴んでる男の頭にぶつかり、男はナルを離した。

 ナルが俺のところに走り、後ろを見ると、

 転んだだけだったはずの男たちが別の男たちに殴られ、気絶していた。

 俺たちを助けた男たちは、ギルドにいたやつらだった。

「おいおい、ちゃんと自分の女は守んなきゃダメだろ?」

「まぁ、採取依頼ですらまともにできねーやつが守れるわけねーけどな!」

 そいつらはギルドで見た時とは違い、立派な人に見えた。

「あ、ありがとう」





 ナルを襲った男たちを警備隊に渡すと、

「輪ーー!!ありがとうー!!」

 ナルが泣きながら俺に抱きつき、その後、俺たちはギルドに向かうと、他の奴らも着いてくる。

「なぁおい、助けてやったんだ!なにか奢れよ。」

「あーあ!俺たちがいなかったらこのねーちゃんはどうなってたかなぁ?」


 うっ


 俺は財布の中身を見ると、

「わかったよ!今日は奢るよ!」

「いやっほーい!!」

「酒と食いもん持ってこーい!」

 ギルドの食事処に料理と酒が並べられてる間、俺は男たちにある提案をされた。

「なぁおい、今日はもうヘリクロスの討伐はしないんだろう?だったらよ、俺たちで組まねーか?からかってるんじゃない、俺たちで今日よりもっと広範囲に蜜を塗って、それぞれ塗った場所に行き、ヘリクロスを見つけたら全員で討伐、報酬金は山分け、どうだ?」


 ......確かに、金は減るが、そっちの方が効率がいい


 俺はその事をナルに伝えると、

「おっけーバーテンダー!!」

 その日は夜遅くまで騒いだ。

 最初はいけ好かないやつらだったが、話してみると案外いいヤツらのようだった。

「おいお前、酒は飲めるか?」

「いや、飲んだことは無い。」

「ほほう、大人への1歩だ、飲んでみろ!」

 そして差し出された酒を見て、周りを見ると、周りの奴らはニヤニヤとしていた。

 俺は訳が分からず、言われた通りに酒を飲んだ。

「一気!一気!」

 周りの勢いに流され、その酒を一気飲みする。

「おぉ!」

「まじかよ......」

「あれアルコール50パーセントだぞ。」


 なんてもん飲ませてんだ


 飲み終わった俺の背中を、酒を奨めた男がバシッと叩き、

「なーはっはっはっ!こいつはすげぇ男だ!この調子で明日も頑張るか!!」







 翌朝、結局正午を過ぎるまで飲み、そのままギルドで眠ってしまった。

「それじゃ、各々森の中の木に蜜を塗っていってくれー。」

 俺は少し頭がぼんやりするだけだったが、周りの奴らは飲みすぎたせいでぐったりしていた。

 ナルが近くにいたぐったりしてる女性を心配する。

「大丈夫よ!夜には治る!」


 大丈夫なのか?


 森中の木に蜜を塗り、夜まで待つ。

 そして、夜になり、蜜を塗った木を別れて探す。

 もしヘリクロスを見つけたら魔法を上に放ち、周りに知らせる。

 それを確認した人達は急いでその場に駆けつける。

 俺とナルは自分で塗った木を確認するが、全ていなかった。

 すると、突然大きな音がし、魔法が上に放たれた。

「遠いな。ナル、行くぞ!」

「おぉ!!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ