第四十三話 冒険者になりました!
俺はルーナたちと別れたあと、とりあえず近くの街を訪れた。
「ほほぉ、ここがコア・シティから最も近い街サイド・シティ......」
俺は屋台で買った串揚げを食べながら、街の中を歩いていった。、
「とりあえず旅するための資金を集めなきゃなぁ。ん?」
街にある掲示板を見ると、
「冒険者募集中!依頼をこなしてお金を稼ぎませんか?」
おぉ、グッドタイミング!そういえばイリアムの街や賭けの街でも同じものがあった気がする。
早速掲示板に書かれたギルドに向かう。
「いらっしゃいませ、依頼完了のお知らせですか?」
「いえ、冒険者になりたいんですけど。」
「それでしたらこの水晶に手を置いてください。」
言われた通りに水晶に手を置くと、水晶が光だし、水晶の後ろにある冒険者カードに個人情報が書かれていく。
「おぉ!ファンタジーぽい。」
しばらく経つと、水晶から光が消え、受付の人がカードを手に取る。
「お名前は輪さんですね。冒険者ランクは全員Fランクからになります。依頼のランクは自身のランクのひとつ上までを推奨します。」
「はい、ありがとうございます。」
早速俺はギルドの掲示板に貼ってある依頼を探す。
「受付の人は一つ上までって言ってたけど、今の俺なら多分いけるよな。」
手始めにBランクの依頼の紙を剥がし、受付に向かう。
依頼の紙と冒険者カードを渡すと、受付の人は驚いた顔をした。
「え、えと、こちらの依頼はBランクですが、大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫です。」
受付の人は心配そうな顔をし、冒険者カードを返すと、すぐに次の人の受付に回った。
「それじゃ、行きますか。」
依頼の内容は魔物化した熊の討伐、この世界では度々動物が魔物化し、凶暴になるんだそう。
「えーと、確かこの森にいるはずだよな。」
森の中を進み、熊を探すと、
「あ、いた......いた?」
依頼の内容には魔物化した熊を一匹討伐と書いてあった。
しかし、目の前には一匹所ではない、たくさんの魔物化した熊がいた。
「これ全部倒したら依頼ってどうなるんだろ。」
俺は熊達の目の前に現れると、熊達は俺に向かって襲いかかった。
「それじゃ、行くか!」
二振りの剣を抜き、構えると、俺はまず一番最初に走ってきた熊の横に周り、一瞬で首を切る。
本来ならこれで終わりなのだが、残った熊を倒すため、俺は攻撃の手を緩めず、迎え撃った。
そんな光景を木の影で見る者がいた。
「ふぅん、あれが輪なのね。」
「はぁ!!」
最後の熊を倒し、その場で休憩をすると、倒れた熊達を時空収納に入れる。
ふと、冒険者カードを見ると、依頼の内容に熊数匹討伐と書いてあった。
「はぁ、これで本当かどうかが分かるんだな。」
早速ギルドに依頼の報酬を貰いに行こうとすると、
「!!」
そこに、突然短剣が飛んできた。
「誰だ!!」
短剣が飛んでいった先には、俺と同じくらいの歳の女性がいた。
「あなたは?」
「私はシーパ、元暗殺者チーム、百鬼夜行の最後の一人よ。」
百鬼夜行、あの時の暗殺者チームのメンバー。
その女性はボブ味のある自身の髪を払いながらこちらに歩いてくる。
「俺を暗殺しに来たのか?」
「まぁ、似たようなものかしら。」
シーパは二本の短剣を構え、ありえないスピードで俺に襲いかかった。
「くっ!」
二本の剣を抜き、剣と剣の鍔迫り合いが始まる。
「なんで、俺を狙うんだ。もうお前たちの依頼者は全員死んだ。お前の仲間もだ。もう俺たちを狙う理由は無いはずだ。」
こいつ、強い!修行した俺と互角の強さ......
「あぁ、確かにそんなこともあったわね、私からしたらどうでもいいけど。」
どうでもいい?
「はぁ!!」
俺は鍔迫り合いをやめ、一歩下がると、シーパは短剣を回し、詰め寄る。
俺もシーパに向かって走り出し、しばらく攻防が続く。
ザンッ!チンッ!ザンッ!
その場には剣と剣がぶつかる音だけがし、そこには殺気が漂っていた。
このままじゃ、埒が明かない。
俺は何度目かの鍔迫り合いを終えると、
そこから走り出した。
「逃がさないわ!」
シーパは俺を追いかけながら、短剣を何度も投げ出した。
それを俺は全て剣で防御し、しばらく経つと、次の街が見えてきた。
その瞬間、後ろからの殺気が消え、振り向くと、シーパはいなくなっていた。
「......なんだったんだ。」
俺は次の街のギルドへ向かい、依頼内容の紙と冒険者カードを渡すと、受付の人は驚いた顔をした。
「え、FランクでBランクの依頼内容を達成!?」
冒険者カードに嘘をつくことはできないので、受付の人はそれを信じた上で、驚いた。
「して、その、魔物化した熊たちは......」
俺は時空収納から森で倒した全ての魔物化した熊を出す。
「ありがとうございます......それではこちら、報酬金です。」
依頼内容の報酬にさらに上乗せした報酬金をもらい、俺は倒した熊の料理を食べた。
依頼内容には、熊の討伐と書いてあったが、素材が欲しいわけではなかったので、倒れた熊達はただで食べさせてもらった。
「ちょっと臭みがまだあるけど、上手いなぁ。むっしゃむっしゃ。」
熊鍋を食べ終わり、溜まった金で身なりを整えることにし、近くの服屋へ行った。
「こんなもんでいいか。」
紫のコートにベルトをつけ、ベルトの左に剣、神威、右にポーチをつけ、背中の右側に剣、幻想をかざし、首にマフラーを巻く。
そして、しばらく街の中を歩いていると、
「きゃあああああ!!」
ある店から爆発音がし、急いで駆け寄ると、そこにはたくさんの金が入った袋を持った男たちがいた。
「誰か助けてー!!」
俺は走ってその盗人達を一人ずつ拘束すると、周りの人達も盗人達を拘束していた。
しかし、突然、彼らは拘束を解いた。
何やってんだこの人達!
俺は拘束を解かずにいると、突然後ろから頭に衝撃がのぼり、気絶した。
「え......」




