第四十一話 新たな冒険
「おいおい姉ちゃん、いい体してるな、どうだ?俺と今夜?」
「せっかくですが、お断りします。先を急いでいるので。」
女性は男性のお誘いを断り、スタコラサッサと歩いていった。
しかし、そこに怒った男性が後ろから襲いかかる。
それを女性は見もせずに容易く躱し、返り討ちにする。
「今度また同じことしたら、斬りますから。」
刀を持った女性、ターナはそう言うと、コア・シティの中心に歩いていった。
「ひゃっほーい!久々のシャバだぜぇ!」
「ちょっとルーナ!そんなとこで道草食ってないでさっさと行くよ!」
「そうよルーナ、もうみんな集まってるかもしれないんだから。」
街の食べ物屋を見ていたルーナを引っ張り、中央へと向かう、パールとアルン。
そこに、
「おぉ三人とも、久しぶりだな。」
身体中の筋肉が引き締まった女性、サタールがやってきた。
「サタール、久しぶりね。」
「おぉ!お前らも相当強くなったみてぇだな。」
サタールと合流した三人は共にコア・シティへと向かった。
「あ、おーい!ルーナー!アルン!パール!サタール!」
中央へ向かうと、そこには輪以外の全員が集まっていた。
「残りは輪だけだね。」
全員見た目は大人っぽくなり、ラノとリナは三年経っても、ちびだった。
それからしばらく輪を待つが、現れる気配がしないのでみんなは近くの闘技場へ向かった。
これからそこでは大会が行われるらしく、三年の成果を試すにはいい機会だと思い、サタール、ルーナ、パール、アルン、ターナの五人が参加することになった。
「あ、あれ?」
俺は集合場所の街の中央に行ったが、そこには誰もいなかった。
「お待たせしました!只今より、今大会最強を決める、決闘を行います!」
闘技場からたくさんの歓声が聞こえる中、ルーナ達は自身の装備の確認をしていた。
「みなさん、手加減はしませんからね。」
「あったりまえだよ!こっちも沢山修行したんだから!」
「それはお前だけじゃないぜ!俺も信じられないほど強くなったからな!」
サタールはアルンの肩に手を回し、意気揚々としていた。
すると、ルーナ達の前にある男が現れた。
その男は仮面とフードを被り、頭から下もたくさんのマントで覆っていた。
「えと、なにか......」
男は一瞬驚くと、すぐに闘技場へ向かった。
「な、なんだったんだ?」
「とりあえず、私達も行きましょうか。」
パールがそう言うと、ルーナ達は立ち上がり、闘技場へ歩いた。
「わあああああああ!!」
「やれーー!!」
闘技場に出ると、たくさんの歓声が上がっていた。
「今回の大会はバトルロイヤルで行います!それでは、始めー!!」
実況者の声により、大会が始まると、闘技場にいる人達は一斉に戦い始めた。
「それじゃ、私たちは最後に戦い合いましょう!」
アルンがルーナ達から離れると、ルーナ達もお互い離ればなれになった。
ルーナは何人かの出場者を倒すと、いきなり数人に囲まれた。
「可憐な女性一人に対して、手を組んでいじめとは、かっこ悪いなぁ。」
「うるせぇ、さっきから見てたが、あんた、なかなかやるようじゃねぇか!やっちまいな!」
一斉にルーナに向かって走り出すと、ルーナは箒に乗り上空へ逃げた。
「ず、ずるいぞ!降りてこい!」
「おぉっと、ここでルーナ選手!箒に乗って上空へ飛んだぞー!ここから何を始めるのか!」
ルーナは魔力を込めると、一気に闘技場へ魔法を放った。
「スターダスト・シューティング!」
無数の光が星屑となって出場者へ当たると、場外へと落ちてった。
「ルーナ、なかなかやるじゃない。こっちだって!」
アルンは目の前にいる男たちに向かって、杖を振ると、神器、アルテミスの弓矢とヘラクレスの弓矢を使い、魔法を発動した。
「アルクェイド・スピア」
弓から放たれた矢がスピアーのように敵に突き刺さり、その衝撃で後ろに刺さると、アルンは杖を使い、そいつらを浮遊させ、場外へ落とす。
「ぐあああああ!!」
サタールはお得意の打撃で次から次へと、敵をなぎ払っていた。
パールは本を開き、そこから何個もの魔法を発動させる。
「このくらいでいいかしら。」
手加減をしながら、どんどん敵を倒していく。
「はああああああ!!」
ターナは走りながら、次から次へと向かってくる敵を神器、ムラマサを使い、切り裂いていった。
「もうちょっと本気を出せる相手はいないんでしょうか?」
それからしばらく経ち、残ったメンバーがルーナ、パール、アルン、ターナ、サタールと仮面の男になった頃、
「さぁ、出場者が少なくなってきたぞー!残ったのは、なーんてことだ!仮面の男以外、女性だぞー!!」
実況者と観戦者の歓声が上がり、ルーナ達は攻撃の準備が始まる。
そこへ突然、闘技場の壁をぶち破り、大きな虎が入ってきた。
「!!あれって、神獣!」
ルーナ達は一斉に神獣の方を見る。
「こいつ、三年前に輪が戦ったのとは比べ物にならないほどの強さだな。」
サタール達が神獣に向かって、走り出すと、仮面の男も向かった。
が、神獣はとてつもない速さで仮面の男の後ろに回り込むと、観客席まで蹴り倒した。
観客席に飛ばされた仮面の男は仮面が一部割れていた。
「大丈夫ですか!仮面の人!」
「ルーナ!ターナ!」
観客席から人がいなくなった頃、闘技場にリオン、ハルネ、キイ、リーノ、ラノとリナが現れた。
「私達も手伝うよ!」
全員で一斉に攻め込む。
「神獣を倒したあともあるんだ!手加減してやるんだぞ!」
「わかってます!」
「手加減しないといけないなんて、修行の成果が試せないじゃない!」
弱い魔法と技でしばらくちまちまと攻撃をする。
「焦れったいわねぇ!てか、なんでこんな時に神獣が現れんのよ!空気読みなさいよドメスティックバイオレンスタンパク質がァ!」
「てめぇのちん○もぎ取るぞこのやろうが!」
そんなこんなで神獣に攻撃を繰り返していると、突然観客席に飛んでった仮面の男が立ち上がった。
「仮面の人、あなたも早く逃げてください!!」
すると、神獣は仮面の男に狙いを定め、走っていった。
そこに迎え撃つように、仮面の男も走り出し、神獣はそこにいくつかの魔法を繰り出す。
それを仮面の男は躱そうとすると、マントや仮面に当たり、マントが破れ、仮面が壊れる。
その瞬間、顕になった二つの剣を抜く。
「え!?えぇ!!」
「も、ももももももしかして、あの人って!」
「ま、まぁ、私は最初から分かってたけどな!」
「り、輪!!」
仮面の男、もとい俺は、神獣の上に飛ぶと、神獣が弾丸程の速さで魔法を撃つ。
しかし、
「遅い」
俺はそれを軽々と避け、最小限の力で、首を切り落とした。
「り、輪......」
「ほぉ」
パールたちが俺を見ていると、
「お、終わったのですか?」
実況席にいた実況者がそう呟くと、俺はみんなに向かってピースをした。
それを見ると、みんなも笑顔でピースを返した。
そして、俺の旅、エミナを探す旅は始まった。




