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無幻の黄昏   作者: ふみりえ
第一部 再会
37/76

第三十六話 秋の歌 その二

 ルーナ達はエミナの元へ向かうため、野原を駆け回っていた。

「あと少しで街に着くぞ!」

 街が見え始めた頃、街の方から天使や女神が沢山来るのが目に入った。

「人間だぞー!」

「生きて返さん!!」

 ルーナ達は立ち止まり、周りを見た。

「やべー!囲まれたぞ!」

「もうこれしかありません、私がここに残ります。」

「何言ってんだ、刀もないくせに!ここは、私が」

「いーや、俺だ!!!」

 突然空から声が聞こえ、上をむくと、

 ズドン!!

「よぉ、お前ら!待ったか?」

「サタール!!」

 さらに上から翼の飾りをつけたハルネ、キイ、リーノが降りてきた。

「ちゃっす、ターナ!」

「あなた達、どうしてここに、それにいつからこっちに向かったんですか?」

 サタールは自慢げに

「ついさっきだ、俺がこいつらを背負って走ってきたんだ。天の次元に来るのは、パールがハルネに異次元移動魔法の呪文を教えてくれたからな。」

「は、走ってって......私たちが何十日もかかったのに。」

 ターナが唖然としていると、サタールは女神たちの方を向き、

「話は後だ!ここは俺が一人で引き止める!お前らは行け!」

「すまねぇサタール!じゃぁお前ら行くぞー!」

 箒にラノとリナを乗せ、キイとハルネがリオンとターナとリーノを背負い、空から街へと向かった。

「さて、女神と天使がどれだけ強いか、試してやるかぁ!!!」









「きゃぁ!」

 肩に一撃をくらい木にぶつかるアルン。

「アルン大丈夫?」

 走ってアルンの元へ行き、パールは治癒魔法をかける。

「さぁ、わがままは終わりだ、早くルーナと実験体を連れてくるんだ。」

 パールは怒りの顔になると、

「あの子は実験体じゃない!リオンよ!」

 パールは魔法のビームを出し、敵に発射するが、かわされる。

「うぅ、パパ、ママ。」

 アルンは父と母に向けて、弓矢を構え、一気に発射する。

「あなたを育てたのは誰だと思ってるの?あなたの動きなんか、手に取るようにわかるのよ。」

 防御魔法で防御され、四人はどんどん二人に近づく。

「アルン、作戦があるの。聞いてくれる。」

「なに?」

 ごにょごにょごにょ

アルンは少し俯くと、

「おっけー、それに賭けるよ。」

 アルンとパールは一斉に森の中へ散らばると四人はそれぞれ追いかける。

「見つけた!」

 アルンの両親はアルンを見つけるとスピードをさらに上げ、追いかける。

「いた!」

 パールの両親もパールを見つけ、追いかける。

(もっと、もっと速く!)

(お願い、間に合って!)

 森の中を一心不乱に移動し、やがてアルンとパール、お互いの姿が見え始めると、

「「ここ!」」

 二人はお互いをとおりすぎ、アルンはパールの、パールはアルンの両親に鉢合わせする。

「「はああああああ!!」」

 ここに来るまでに詠唱し終えた極魔法を発動する。

「アロー・ストライク!!」

「スナイプ・ボール!!」

 上手く魔法が当たり、四人が吹き飛ぶ。

「はぁ、はぁ、はぁ、やった......」

「終わった......」

 アルンとパールはその場に崩れ落ち、息を整えていると、

「まだだ!」

 倒れた場所から四人が立ち上がると、二人は絶望した顔になる。

「そ、そんな。」

「も、もう、こっちは魔力がない。」

(あぁ、もうダメだ、ごめんみんな。)

 パールは心の中で諦めると、パールの両親が言った。

「パール、あなたは昔から計画性はあるけど、一度それが崩れ落ちると、すぐに諦めてしまうわね。」

 アルンの両親はアルンに近づきながら

「さぁ、もう分かったでしょ。こっちに来て、また一緒に暮らしましょ。」

(お母さん、お父さん、もう......いいかな。)

 近づいてくる両親にアルンは手を伸ばそうとした時、ポケットに手が当たる。

 パールもふと、胸ポケットに手を伸ばすとそこには、二人が今までの旅で知り合った人に貰った箱があった。

「イル......」

「ネロ......」

 2人は同時に箱を開けると、中には、ペンダントが入っていた。

「「どっちもペンダントだなんて......」」

 二人はふふっと笑うと、ルーナにいわれたことを思い出した。

「私はそのうちここから逃げるつもりだったぜ。」

「パール、諦めるな!」

「「!!」」

 二人は涙を流しながら、ルーナに向けて思った。

(ごめん、ルーナ、私、逃げてた。目の前の現実から逃げて、理想を追い求めてた。お母さんとお父さんが、実は優しい人でこれから楽しく暮らせるって。)

(そうよね、ルーナ、諦めたら、終わりよね。逃げたら、そこで止まってしまう、けど、逃げなければ進める。)

((だから、私は逃げない、進み続ける!))

「アルン、もう一度、私の作戦聞いてくれる?今考えたの。」

「うん、いいよ、何度でも作戦を思いついて。」

 ごにょごにょごにょ

「それじゃあ、行こう!」

 アルンはパールをじゅうたんに乗せ、その場から直ぐに離れる。四人はそれを追いかける。

 そして、四人が地面を踏んだ瞬間、地面が爆発した。

「地雷魔法か、小癪な。」

 防御魔法をかけ、飛びながらアルン達を追う。

「!!」

 追いかけている間、突然四人の動きが止まった。

「こ、これは!?」

「魔法の糸よ。」

 振り返ったアルンとパールは魔力を込め、

「あなた達をここに誘き寄せたのよ。」

 さらに魔力を込め、最後に二人の魔力をひとつにする。

「「合体魔法!ストライク・スナイプ・アロー!!」」

 銃の威力と弓の発射威力を加えた二人の合体魔法。

 それを食らった四人はその場に倒れた。

「これが、私が旅をして得た力。私はもう、なにがあっても諦めない。」

 パールは自分の両親に言葉を告げるが、二人は既に死んでいた。

「お母さん、お父さん、今まで私を育ててくれてありがとう。私、強くなれた。そういう意味では、二人のおかげかもね。私はあなた達から、卒業する。」

 アルンも両親に言葉を告げると、

「ふふ、そう、じゃあね、アルン。元気でね。」

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