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無幻の黄昏   作者: ふみりえ
第一部 再会
35/76

第三十四話 夏の歌 その二

 エミナの背中に乗り、空からみんなを探していると、神殿に天使や女神が集まっているのを見つけた。

「なんだろう?」

「降りてみようか。」

 地面におり、神殿の中に入っていくと、中にはたくさんの倒れた天使たちと二つの弓を持ったアルンがいた。

「アルン!!」

「輪!エミナ!」

 俺たちに気づくと、アルンは弓矢を消し、近づいてきた。

「会えてよかった。」

「アルン、この人たち、お前がやったの?」

 俺が聞くと、アルンは自慢げに話した。

「そう!このアルテミスの弓矢とヘラクレスの弓矢を使って倒したの。このふたつの弓矢凄いの。持つだけで身体能力や色々なことが何倍にもなるの!」

 そう言って二つの弓矢を俺たちに見せる。

「それ神器じゃない、選ばれたものにしか使えないって言われてる。」

「神器?」


 神器なんてものがあるんだ。


「ちなみに、輪が使ってるその剣も神器なんだよ。」

「え!?そうなの?」

 その言葉を聞き、俺はエミナに気になっていた質問をする。

「ねぇエミナ、君はなんで俺をこの世界に」

「死ねぇ!」

 突如後ろから声がし、振り向くと倒れたはずの女神が腕からビームを出し、こちらに攻撃してきた。

「危ない、輪!」

 エミナが俺の体を押すと、女神はエミナに向かって攻撃をし、それがエミナに当たる。

「ぐっ!!」

 すぐにアルンが弓矢でその女神を倒し、その場に倒れたエミナに治癒魔法をかける。

「大丈夫、傷は浅いよ。」

 治癒魔法をかけている間、倒れたはずの女神が口を開ける。

「いい気になるなよ、人間の分際で。貴様らは奴隷だ。そのハーフは生贄...だ...」

 そこで女神は気を失った。

「奴隷って何?」

 アルンに天の次元の目的を伝えると、アルンは驚いた顔をし、

「地の次元の人間を全員奴隷って、何考えてるのさ。いかにも頭がおっぺけぺーのやつの考える事ね。」

「そういえば、エミナは生贄って、どういう意味?」

 エミナは少し俯き、やがて口を開けた。

「私は元々、実験によって生まれたの。」

「実験?」

「その実験の目的は、天使と女神、両方の血が流れる生命体を作り、それを生贄にすることで地の次元への扉を開くこと。」


 地の次元への扉を開く......あれ?


「でも、俺たちは地の次元からここへ来たんだから、天の次元から地の次元へは簡単に行けるんじゃないの?」

 俺がそう言うと、エミナは首を横に振り、

「一方通行なの。地の次元から天の次元へは魔法で行けるけど、天の次元から地の次元に行くには生贄が必要なの。」

「つ、つまり、俺たち、帰れないってこと?」

 エミナが首を縦に振る。

 それを聞いたアルンは

「ど、どどどど、どうしよう、帰れないんじゃ、一生ここに暮らさなきゃいけないの?私家に財産ほとんど置いてきちゃったんだけど!!」

「とりあえず、他のみんなを探そう。話はそれからだ。」


 






「お前......なかなかやるじゃねーか。」

「お、お前こそ。」

 ルーナと神獣が激闘を繰り広げ、お互い傷だらけの状態になっていた。

「これで終いにしてやる。」

「こっちもだ。」

 ルーナは詠唱を開始すると、神獣も力をためる。

 しばらく経ち、詠唱が終わると、ルーナが叫ぶ。

「行くぜ!極魔法、ライデン・ブラスター!!」

「おらあああ!」

 魔法と拳がぶつかり合い、たくさんの煙が発生する。

 それから、煙が消えるのを待つと、立っていたのは、ルーナだった。

「勝った......勝ったぞー!」

「見事だ、この槍はお前のものだ。しかし、気をつけろ、ロンギヌスの槍は他の神器と違う、だが、貴様なら大丈夫だろう。貴様はかの者に似ている、このロンギヌスを性能以上に扱い、この洞窟に封印したものに......」

 ロンギヌスの槍を手に取ったルーナはニカッと笑い、

「安心しろ、私もそいつのように使いこなしてやるから。」

 神獣は笑う素振りを見せると、やがて消えていった。

「さてと、そいじゃ、あいつらを見つけに行くかな。」








「三人とも、とりあえずここにいましょう。」

 パールと、ラノとリナ、リオンは一緒に逃げ、森の中へと入っていった。

 そこでしばらく休むと、パールが魔法を使い、四人の姿を女神にする。

「よし、これで大丈夫だと思うし、街に戻りましょうか。」

「ほんとにこれでバレない?」

「バレない?」

 ラノとリナが不安そうに聞くと、パールは自信満々で

「バレないわよ。」

 四人は森から出て、街へと向かった。









「あ、見えたよ!」

 俺たちは空から街を見つけ、門の前で下に降り、自分たちの姿を確認し合い、街の中に入っていく。

 街の中は大騒ぎのようで、俺たち人間やエミナのことを探している様子だった。

「ソワソワしないで、逆に怪しまれる。」

 エミナに言われ、堂々と街の中を歩いていくと、

「あー!!輪!」

 声のした方向を見ると、何故か刀が一本増えたターナを見つけた。

「よかったです、無事だったんですね。」

「ターナも無事で安心したよ。」

 ターナと合流し、残りのメンバーを探しに歩くと、突然エミナがもの陰に隠れた。

「エミナ?どうしたの?」

 エミナは酷く脅えている様子で必死に自分の存在を隠そうとしていた。

 すると、街の広場から声が聞こえ、そちらを向くと、翼の生えた巨漢の男がいた。

「誰なんでしょう、あの方は。」

 男は広場に人が集まったのを確認すると、大きい声で言った。

「我々はついに、地の次元を侵略する時が来た!!」

 それを聞いた人達は

「おぉ!」

「ついにか!」

「やったぜ!」

 男は一息つくと、またも大きな声で言った。

「そして!その地の次元へ行くための方法の生贄の事だが、そのものは現在行方不明だった。」


 だった?


 広場の人たちがざわめくと、男はこちらを指さした。

「そこに隠れているものでてこい!」

 すると、エミナは怯えながら、物陰から出てきた。

「そのものは女神と天使のハーフである!女神の名をヴァルキリー、天使の名はパンドラ!生贄である!」

 そう言うと、男はでかい鏡をこちらに向ける。

 しばらくすると、鏡には天使の輪っかと翼が生えたエミナと、元の姿になった俺たちが写った。

「ほう、これは偶然だな、生贄だけでなく人間もそこにおったとは。そのもの達を捕らえろ!」

 一斉に周りの天使や女神達が襲いかかり、俺は剣を抜き、眼鏡を外す。

「!あの剣は......」

襲いかかっきた奴らは俺の剣を見ると、少し驚いたようだった。

 ターナも刀を構え、迎え撃ったが、

 俺たちは手も足も出ず、捕まってしまった。

 天使の一人がターナの刀を二本取り、

「ふん、弱っちい奴らだ、こんな刀こうしてやる。」

「!!やめてください!お願い、やめて....」

 刀を折った。

「!!」

「輪!ターナ!」

 アルンが急いで助けにいこうと杖を振りかざすが、

「魔法が使えない!魔法無効化エリア......」

 一瞬でアルンも取り押さえられ、残ったのはエミナだけになった。

「う、うぅ......」

 しかし、エミナは動こうとせず、その場に立ち尽くしていた。

「エミナ、逃げて......」

 天使は俺の頭を掴むと、思い切り地面に叩きつけた。

「がはっ!」

 そして、光の剣で何度も何度も俺の体を突き刺した。

「やめて、お願い、やめて......」

 エミナが泣きそうになりながら懇願するが、天使はやめなかった。

 そして、目の前が真っ暗になった。あの時と同じ感情、いやそれ以上の感情がこみあがった。


 こいつら......ころしてやる......


 嫌な記憶が蘇る。頭の中に流れてくる。


 来るな、来るな。やめろ、いやだ。













「ころして....やる....」

「ん?なんだって?」

「殺してやる!!」

 その瞬間、突然、衝撃波が輪から飛び出し、周りの天使や女神が吹っ飛んだ。

「輪?」

「輪が、2人?」

 目の前には同じ人間が二人おり、一人は意識を失い、一人はその場に立っていた。

「ふん、どういう能力か知らんが、同じことよ。」

 女神と天使が一斉に襲いかかると、立っていた男はそれらを簡単に受け流した。

「なっ!」

「速い!」

 天使達は何度も男に襲いかかったが、全て空振りに終わり、男は女神の頭を掴んだ。

「離せ!!」

 男はニヤリと笑い、その女神を何度も地面にたたきつけた。

 何度も、何度も、顔の原型が分からないほど叩きつけたあと、今度は目の前にいる天使を見た。

「ひっ!」

 天使と女神達は直ぐにその場を離れると、男はどこかへ行ってしまった。

「な、なんだったの?」

「さあ、輪なのでしょうか?あれは。」

 男がいなくなったのを確認すると、巨漢の男が喋りだした。

「なんだったんだ、今のは。だが、あいつはもう居ない、お前ら、すぐにそいつらを牢獄に入れるんだ。」

「ちょっと、離して!そんなとこ触んいないでよ変態!」

「離してください!あと刀を折った人をぶん殴らせてください!」

 輪やターナとアルンを牢獄に連れていくと、巨漢の男はエミナも連れていった。

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