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無幻の黄昏   作者: ふみりえ
第一部 再会
32/76

第三十一話 春の歌

「ここが、天の次元......」

 魔法で天の次元に着くと周りは野原が広がり空は青かった。

 ルーナが空気をめいっぱい吸うと、

「うーん、空気が美味しいぜー!」

 ふと後ろを向くと、そこには洞窟があった。

「この洞窟、なんだろう?」

「入ってみましょうか。」

 ルーナを先頭に洞窟を潜り、奥へと進む。

「なにか出たら叫ぶんだぞ。」

 しかし、どれだけ進んでも生き物がいる気配はなく、あっという間に最深部にたどり着いた。

「結局何もいなかったね。」

「もうもどろうぜ。」

 アルン達が後ろを向き戻ろうとした時、俺はあるものを見つけた。

「これなんだろう?」

 俺の方を振り向いたみんなにそれを見せる。

「宝箱?」

 宝箱のような形の箱があった。

「開けてみようか?」

「待った、中に入ってるのが何かわからないからまだ開けないでおきましょう。」

 パールの言葉に納得し、とりあえず箱は俺が持っていくことにした。

「ではでは、出ましょうか。」

 洞窟から出て、とりあえず街を探そうとしばらく歩いていくと、誰かの気配がした。

「なんか来そうだな。」

「あ、あれは!?」

「鳥だ!魔法だ!いや、」

「「女神だ!!」」

 空から背中に翼が生えており、髪が銀色の女性がこちらに近づいてきた。

「貴様らは何者だ。」

 俺たちの目の前に降りてきた女神は警戒しながら質問をした。

「おっほん、えー私たちは地の次元から来たものだ。街を探しているんだが、どこにあるのかおしえ!?」

 ルーナが喋っている途中で女神が腕から光のビームを出し、ルーナの顔をかすめた。

「何しやがんだいきなり!!」

「お前らを野放しにはできない。私と来てもらおう。」

「このやろう、藪から棒に!」

 ルーナが箒に乗り、上から魔法で攻撃する間俺たちはラノとリナとリオンを置いて、女神を囲んだ。

「なんでいきなり攻撃してきたんだ!!」

「初対面の人に対する対応じゃありませんよ!」

 ルーナの攻撃が終わると、女神はルーナに向かってとてつもない速さで翼を広げ、上から叩きつけた。

「やる気ですね、輪一緒に行きましょう!」

「うん!」

 上空にいる女神に対し俺はターナを空に投げ飛ばした。

「潔白流、滝下り!」

 上から下に滝のように斬りつけると、女神は地面に落ちた。

「アルン!ルーナ!」

「うん!」

「おう!」

 すぐにルーナとアルンとパールが近づき、上級魔法を繰り出す。

「ライトニング・ボルトー!!」

「インパクト・アロー!」

「スナイプ・ショット!」

 三人の一斉攻撃で終わったかと思うと、

「この程度か?」

 女神はなんともない様子で立ち上がった。

「な!?」

「無傷!?」

「ちっ!」

 ルーナがその場から少し離れると、

「パール、アルン!極魔法を使うぞ!ターナ!輪!時間を稼いでくれ!」

「分かりました!!」

「おう!」

 俺とターナが一斉に斬り掛かるがそれを難なくかわし、俺たちの頭を持つと、地面に叩きつけた。

「ぐっ、まだまだ!」

 ターナが起き上がり、もう一度女神に攻撃をする。

「潔白流、大蛇!」

「遅い!」

 ターナの技を軽々と受け止めるとターナの腹を拳で貫く。

「がはっ!!」

「ターナー!!」

 一心不乱に女神に攻撃をしかけるが、女神はターナの腹を貫いたまま俺の攻撃を避けていた。

「ちっ!」

 俺は眼鏡を外し、オーバーアイを発動する。

 が、


 こんな時に発動しないなんて!


 眼鏡を外しても女神の動きは変わらず、正面から思い切り蹴られる。

「くそっこんな時に!」

 ターナが何かを喋っているような気がするが、上手く聞こえない。

「もう一度!」


 頼む、発動してくれ!


 しかし、オーバーアイは発動せず、またも女神からの攻撃を受ける。

 やがて、女神の拳からターナの体が離れ、ターナがこちらに這いずっていた。

 その間もターナは俺に向かって何かを話していたが、それも上手く聞こえなかった。

 そこで俺はあるひとつの結論にたどり着く。

「ま、まさか、オーバーアイは発動している!?」


 そんな、オーバーアイを発動してもなお、この速さだっていうのか?


 俺は膝から崩れ落ちると、女神は俺の顔面を思い切り殴った。

 その衝撃で俺は吹っ飛び、気を失った。




「詠唱が終わった!行くぞ女神やろう!!」

 ルーナたちの詠唱が終わり、女神を囲む。

(早く終わらせて、ターナと輪に治癒魔法をかけなくちゃ!)

「行くぞおらー!極魔法、ライデン・カルカロン!」

「シャイニング・アロー!」

「ファイナル・ブラスター!!」

 三つの極魔法を繰り出し、さすがに死んだかと思いすぐにターナの元へ走る。

「ターナ、すぐに治癒魔法をかけるからね。ルーナは輪をお願い!」

「おう!」

 治癒魔法をかけようとした瞬間、三人は殺気を感じた。

「ま、まさか。」

「そ、そんな。」

 女神の方を振り向くと、女神は無傷でその場に立っていた。

「ちっ!」

 すぐにルーナが女神の元へ魔力を込めながら走るが、追いつかずに女神はアルンとパールの腕をひきちぎった。

「あああああああああ!!!」

「アルン!パール!!お前ーー!!」

 怒りで我を忘れ、ルーナは必死に女神を殴ろうとする。しかし、それらは全てかわされ、ルーナの顔を掴む。

「くっ!」

「終わりだな。」







「う、うーん。」

 気絶から目を覚ますと、そこは地獄絵図だった。アルンとパールは腕が片方なく、ターナの腹には穴が沢山空いていた。ラノとリナは気絶させられただけのようで、リオンは女神に嬲られている最中だった。ルーナは1番酷く、四肢をもがれ、血溜まりができていた。

「あ、あぁ、そんな......」

 俺はここに来る前のルーナの言葉を思い出した。

「私たちならどんな敵だって心配ないって。」


 全然勝てない......これが、天の次元......


 ふと、ポケットに手を突っ込むと、中には洞窟で見つけた箱があった。

「もう、どうなってもいい。頼む、悪魔でもなんでもいいから、出てきてくれ!」

 そして、俺は箱を開けた。

開けると、今まで見たことの無いほどの輝きが溢れ出た。

 中から出てきたのは、銀色の長い髪に天使の輪っかと女神の翼を持ち、それは美しい女性が現れた。

「開けてくれてありがとう、見知らぬ人。」

 そして、女神が俺の方を振り向くと、その顔は、

「あ、あんたは......」

 この世界に来た理由、それを知るため俺は旅をしてきた。いくつもの苦難を乗り越え、その理由を知るために。そして、目の前にいる人はあの暗闇の空間で出会った女性だと確信した。

 その女性も俺の顔を見て驚くと、すぐに向く方向を女神に向けた。

「話は後でしましょう、とりあえず今はここを乗り越えよう!」

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