朝から大変
「姉ちゃん!起きてー」
「·····んっ···もう朝?」
銀髪の髪が目の前を横切る。
「全然姉ちゃん起きてこないから起こしにきた!」
そう言ってゆさゆさと体を揺さぶってくるのは優だ。
「わ!もうそんな時間!?·····ごめん目覚ましかけ忘れてた」
「まだ時間的には大丈夫だからゆっくり準備していいよ。それに寝顔見れたからラッキー」
「それはお恥ずかしい···変な顔じゃなかった?」
「うん!可愛すぎてしばらく見つめちゃった」
ぐっ、、我が弟ながら破壊力がすごい。
優は銀髪に鋭い目つきをしている。
そのせいか周りの人は近寄りにくく隠れファンが多いらしい。
やんちゃな所もあるが、家族思いの優しい子だ。
「双葉兄ちゃんが朝ごはん作ってくれてるから準備できたらきてね!」
「うん!起こしに来てくれてありがとね」
そう言うとにこにこ微笑みながら優は出ていった。
「さぁ!準備しなきゃ!」
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「おはよー!」
支度してリビングに向かうともうみんな集まっていた。
「おはよう姉貴。その服似合ってる可愛い」
「新しい服かな?ほんとに可愛い」
「姉ちゃんはなんでも似合うね」
「誰よりも可愛いんだから当たり前」
と次々に褒められてしまった。
「そう!せっかくみんなで出かけれるしこの前買ったの着ちゃった!でもそんなに見ないで恥ずかしいから」
「「「「やだ」」」」
全員即答である。
見慣れてるとはいえ、4人のイケメンにまじまじと見られるのはさすがに耐えられない。
(うっ、、そんなキラキラした顔でこっち見ないで〜〜)
「それより早くご飯食べて出かけよう!」
そう言うが誰一人動こうとしない。
結局その後数分間可愛いと言い続けられ、みんなゆかを逃がそうとはしなかったのだった。
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やっと出られる。朝から大変だった。
弟たちはみんなほんとに私を甘やかしすぎだと思う。
素直に嬉しいがそんなに可愛いって言われちゃうと少し自惚れるからやめて欲しい。
そう息をつきながらゆか達は車に乗り込む。
「石崎さん今日はわざわざありがとうございます!」
「全然大丈夫だよ!気にしないで!普段わがままを言わない双葉の頼みだからね」
そう言ってくれるのは双葉のマネージャーの石崎さんだ。 交通機関で行くのは騒ぎになってしまうかもとわざわざ車で送迎してくれることになった。
「じゃ!行くよ〜〜」
「「はーい!」」
みんなで元気よく返事をし久しぶりの姉弟そろってのお出かけが始まるのだった。