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状況確認(犯罪ではありません)

 一旦、落ち着いてこいつと話し合わないとな。

 本人?本毛玉?いや、そもそも毛玉じゃないって言ってたか、じゃあ、なんだ?喋るぬいぐるみなんてハトの能力で見飽きてるが、周りに人もいないしな、、。

 なら、生きてるぬいぐるみ?なんか、どこぞのちっこいクマのぬいぐるみのパチもんみたいだな。


 「おい、なんだその顔は。絶対僕に対して失礼なこと考えてるだろ!いいか!僕は魔法少女の相棒だ!魔法を(つかさど)る聖なる母の使い魔なんだぞ!」


 「ステーイ、ステーイ、少しお互いについて話そうじゃないか。俺は、旋風 鷹也(つじかぜ たかや)。どこにでもいる高校生だ。ちなみに、俺の超能力は風を纏う力。といっても、風刃を放ったり、竜巻を起こしたりなんて攻撃的なことはできないけどな。」


 「超能力?そうか、この世界では魔力の代わりにそんな力があるのか。おい、お前のほかに超能力者は何人くらいいるんだ?10人くらいか?」


 こいつはとことん人の話を聞かないやつだな。お互いについて話そうって言ってるのに、俺まだこいつの名前すら知らないぞ?初対面の小学生でももう少しまともな対応するっての。


 「俺は大人だから、その質問にも答えてやるが、超能力者なんてこの世界ではありふれた存在だぞ。生まれてすぐ能力獲得注射(サイインジェクション)さえ打てば誰でも器に見合った能力を得られるしな。」


 「その言い方はむかつくが、力を持つものがそんなにいるだと?どの世界でもパワーバランスは同じはずなのに、、。そうか、超能力とやらはお前のように力そのものが弱いんだな!!せいぜいが空を飛んだりといった便利な能力で戦闘能力はない感じか。」


 「ん?そんなことないぞ。うちの親なんて戦争を止めたり、600メートル以上ある建物でスイカ割りしたりするからな。」


 「な!?そんなの、魔法少女や最強クラスの怪人並みじゃないか!そんな存在がありふれてるとでも言うのか!?」


 「いや、流石にここまでの能力者は少ないと思うが、、。そうだな、おそらくお前の話から考えるとコンネートオーダーがその魔法少女ってのと同じ感じなんじゃないか?」


 「コンネートオーダー?なんだそれは。聞いたことないぞ?」


 「まあ簡単に言えば、元から力を持ってる特別な人間って事だ。この世界ではお前らの魔法少女の力を研究する感じで、超能力が研究されていて、後天的に超能力が手に入るんだよ。」


 「なるほど、、。そう考えれば、パワーバランスそのものは釣り合いが取れているのか、、。ちなみに、そのコンネートオーダーは何人くらいいるんだ?」


 「まあ、パワーバランスどうこうはよく分からないが、当時は確か3人だったはずだ。この力は遺伝するらしくて今はその子供達を含めて13人だったかな?」


 「魔法少女も怪人との戦いで覚醒したり、怪人が理性を取り戻して人間に戻ることもあったし、そう考えれば遺伝で能力が引き継がれてもおかしくはない、、のか?」


 「ここで質問に答えてやるのもいいんだが、そろそろ学校に行かないといけなくてな?この子のことお願いしてもいいか?」


 ふっ、質問に答えて恩を売りつつ、自分には用事があることをアピールすることでこの場を離脱するという、この高度な心理的テクニックよ!

 この子のことはこの毛玉(仮)が魔法とかでなんとかするだろうし、我ながら天才すぎて恐ろしくなるな!


 「いや、さっき試そうとしたがなぜか魔法がうまく使えなくて僕だけでは無理だぞ。もしかしたら世界を渡ったことで魔力が底をついてしまったのかもしれない。というわけで、お前の力で麗華を安全なところまで連れて行くんだぞ。」


 ふっ、、。世界はイレギュラーに満ちてるって死んだばっちゃも言ってたし俺は悪くない。悪いのはこの世界だ。

 よし、つまり俺が天才なのは変わらないな。しかし、俺が運ぶのは色々問題がある気がするんだが、、。


 「えっとな、俺の力は俺を中心にしてしか使えなくてな?もしこの子を運ぶのなら俺が触れなくてはいけなくて、、。後は分かるな?」


 「なっ!この状況を利用して僕の可愛い麗華に何をする気だ!この変態!犯罪者め!麗華に触るなんて僕が許さな、むぎゅっ!?」


 「うるさい、ポン太。頭がクラクラするから静かにして。」


 お?騒いでるうちに目が覚めたのか。それなら、俺が犯罪的な行為を行う必要もないな。

 いや、犯罪的な行為なんて最初からするつもりはないけどな?、、ホントだよ?


 「えっと、麗華だったか?俺は学校に行かないといけないからそろそろ失礼するよ。そこの毛玉じゃない、ポン太にいろいろ説明してやったからこの世界のことはそいつに聞いてくれ」


 「おい!また毛玉って言おうとしただろ!それに、行くあてもないし、ぶつかったお詫びに住むところくらい用意したらどうだ!」


 「ポン太、それ以上騒ぐと踏み潰して川に沈める。それと、うちの子がうるさくしてごめん。けど、元いたところとは違う世界だし住む場所がないのもたしか。お詫びというわけではないけど、しばらく面倒を見てくれると助かる。」


これは今日は学校に遅刻する流れだな?俺の無遅刻無欠席記録が、、。

 いや、これ放置すると帰ってから母さんにしばかれるだろうしな、、精神的に、、。

 はぁ、いつも通りの日常のはずだったのに、どうしてこうなったのやら。クーデレ系魔法少女を家に連れ込まなきゃ行けないなんて、まるで犯罪者みたいじゃないか!

 やれやれだぜ!!ホントに!やれやれだ!!



 

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