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お説教とみんな大好きくっころさん


「ゆーしゃさまが甘やかした結果があのざまなんですよ?ほんとうにわかってますか?」


 正座でレナに説教される勇者。さっきから「はい」「ごめんなさい」を繰り返すだけの機械になっている。


「何人ひろってきてもかまいません。ゆーしゃさまがしたいようにしていいです。ですが、ああいうタイプにはきちんと躾をしてください。ひろった責任というものがあるのです」


 拾われた犬猫扱いなんだな、聖女。などと、ぼんやり思うクリスタル。


「ここはつらい思いをした女ばかりです。やっと安心できた唯一の場なんですよ?やっと前を向けるようになったばかりの子もいるんです。それを自分の思想が正義とばかりに、押し付けるアレはハーレムにとって害悪です。殺処分出来ないなら、あたしがやってあげます。」

「……殺処分……えぇ……」


 簡単に言っちゃうんだな、事実出来ちゃうか……とドン引きするクリスタル。


「まかせましたよ。ゆーしゃさま。」

 ニッコリと微笑むレナ。

「ただ、今回はお仕置き案件です。」

 先ほどまでの天使のような微笑みから一転、何も感じさせない無表情に変化した。





「え?え?」


 目を離してないのに10メートル先で、勇者は両こめかみをレナに拳でぐりぐりされている。

 目で追えないほどの神速で逃げようとした勇者を、同じ速さで移動し捕まえたレナ。


「ウメボシ……とかいうお仕置きだったかな?え?威力おかしくない??」


 クリスタルが疑問に思うのも仕方がない。レナの拳は超高密度の魔力を纏い、光輝いているのだ。


「な、涙目ですむんだ……頭が爆散する威力だろうに…………2人とも……人間辞めてる……」


 遠い目をするクリスタルを尻目にお仕置きは続いてる。10分後に解放され、2人は四阿に戻って来る



「では、きちんと責任をもって矯正してください。お説教、おしまいっ」


 レナはすっといつもの雰囲気に戻ると、ささっと勇者に紅茶を入れて差し出す。


「レナ殿、私にも頂けないだろうか?」


 いつの間にかテーブルの近くに、着替え終えたクロエが立っていた。


「んん?勇者はどうした?落ち込んでいるようだが?」

「大丈夫だよー、すぐ良くなるよ。クロエが来たから」

「??私??」


 訳がわからないクロエの脇で勇者がレナに視線を送る。親指をグッと立てるレナを見て、がっくりと落ち込んでいた勇者が少し笑顔になった。



 「!」私わかった。このやり取り。「クロエいじっていいですか?」「許可します」だ!

 さっき邪魔されて終わってしまった『くっころさん劇場』をすぐそばでみれるのか。



「どうぞ、熱いから気をつけて」


 と、レナが入れた紅茶のカップを、勇者がクロエに渡す。受け取ろうとしたところで、勇者が手を滑らせた。


「あっつ!!くっ、殺す気かっ!」


 勇者がとても上機嫌。満面の笑みだ。「くっ、殺せ」「くっ、殺す気か」どちらでもいいようだ。


「な、何か拭くものはっ?」


 慌てるクロエに勇者はふくものを渡す。受け取ったクロエ。


「ピーーーーーーー!」


 庭園に大きく響く、笛の音。


「笛だしっ!拭くものじゃなくて、吹くものだしっ!!」


 笑いが止まらないレナとクリスタル。持ったとき分かるだろう?なんでわざわざ吹くんだよ?アハハハハハ!


「もういいっ!着替えをくれ、着替え」


 さっと差し出される、前回の貝殻水着。


 胸に貝殻を当てるクロエ。なぜ当てる……。


「私、人魚。違うわっ、人魚ちゃうわっ!」


 2人はもう、まともに呼吸が出来ていない。勇者はテカテカした笑顔でウンウン頷いてる。


 貝殻水着をパーンッ!と投げ捨てるクロエに、さっとメイド服を差し出す。


「最初から素直に渡せっ」


 奪うように受け取り、濡れたワンピースをさっと脱ぎ去り、メイド服に着替える。


 メイド服。股下3㎝、胸は谷間がガッツリ見える勇者謹製エロメイド服だ。


「こっこんな卑猥な服を着せよって!勇者貴様っ、そういう目的かっ!くっ、いっそ殺せぇっーーー!!」


 ブラボーと拍手する勇者。びくっびくっと跳ねる謎の生き物になった2人。


「な、なんでだ。なんで勇者は、私にだけ嫌がらせするのだ?ま、まさか、き、嫌いになったのか?」


 急に涙を溜めて膝を地面につくクロエ。勇者に問いかける……






「え!大好きだから?私だけ特別!?な、な、な、ならばしかたないな!わ、わ私も勇者のことが大好きだからなっ!」


 ぼっ、と音がしそうなほど顔からエルフ耳のさきまで真っ赤にしてデレるクロエ。


 小声でこそこそクリスタルはレナと話す。


「しかたないで済んじゃうの?」

「最後のとこの、ゆーしゃさまに特別だからって言われると、今までのいたずらや池ポチャとか、ぜーんぶリセットされるの」

「え?あたま大丈夫?」


 おいで、と言われ勇者に膝枕されて、猫のように丸まってうっとりしてるクロエ。


「なんかわかった……えっと」

「「アホの子かわいい」」


 ハモる2人。

 アホの子と称されるクロエ。ハーレムのメンバーほとんど年下にも関わらず「クロエちゃん」とちゃん付されることも多い。


「まだ半年経たないんだけど、すっかりみんなの「クロエちゃん」なんだよー」

「わかります。急に抱き締めてアタフタさせたいっ」

「そうそう」


 そのあとしばらく4人でティータイムを満喫し、館へ入るため玄関を開けたとき……






「「「「聖女忘れてた!!」」」」



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