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第27話

大広間に向かって、アルベルト様と手をつないで歩いていると、アルベルト様が話を始めた。

「今夜、聖剣授与が行われる。そこで僕は一人前として認められるんだ」

「それは、おめでとうございます」


アルベルト様は、既に訓練場で聖剣を振り回しているのだから、授与もなにもないだろうと思うけれど、そういう儀式的なものも大事だからね。


「もし嫌でなければ、レイチェル、君にも僕のそばで出席して欲しい」


私の手を握るアルベルト様の手の力が強くなる。


それにしてもアルベルト様のそばで出席とはどういう意味だろう?

というか、私のような平民の子が、そんな大事な式に出て良いものだろうか?

まあ、いちいち質問するのも変なものだし、王族の方には色々あるのだろうと思って話を合わせることにした。


「はい、喜んで」

笑顔で応える。


それを見たアルベルト様は嬉しそうに微笑んだ。本当にアルベルト様の笑顔は素敵だ。


アルベルト様と手をつないで、大広間に戻ると、ちょうどフォークダンスの時間になっていた。ダンスは苦手という人もフォークダンスなら楽しく踊れるので、みんなで楽しく踊っている。


「あ! レイチェル! こっちこっち」

スージーが大きく手を振る。


「アルベルト様、行きましょう!」

思わずアルベルト様の手を引っ張ってしまうが、アルベルト様はその場で固まってしまった。あまり乗り気では無いのかな?


「どうしたのですか?」

「いや……その……僕は君とダンスがしたかったんだ……」


「フォークダンスではダメですか?」

アルベルト様の顔を見上げると、なんだか困った顔をしていた


「実は僕はフォークダンスは踊ったことが無くて……」


まあ!

と言う私も、あまり踊ったことはないけれど、あれは見よう見まねでなんとかなるものだ。


「大丈夫ですよ! 隣の人と同じように踊ったらいいんです!」

嫌がるアルベルト様を引っ張って行く。そして基本のステップだけを教えて、フォークダンスの輪に加わった。


スージーが私の耳許で囁く。

「アルベルト様にフォークダンスなんか踊らせちゃって大丈夫かい?」

「大丈夫だよ!」

私は自信を持って頷く。


みんなもスージー同様、アルベルト様が混ざったことに、ちょっと動揺したみたいだけど、今日は夏至祭で無礼講なのだ。気にする必要はない。


「ジョンが心配だから、ちょっと様子を見て来るよ」

と、スージーは厨房に戻っていってしまった。


そのあと、アルベルト様はおかしな踊りをしていたけれど、それでもみんな楽しく踊っていた。

だが、時間が経つにつれてアルベルト様は慣れてきたのか、動きがスムーズになってきて、フォークダンスの曲が終わる頃には、みんなと変わらずに踊れていた。


そして曲が終わる。周囲の人たちと笑顔で挨拶を交わす。面識のない人とも楽しく仲良くなれるのが、フォークダンスの良いところだと思う。


ダンスの後の挨拶を終えた人たちが、アルベルト様の周りに集まり、みんなが楽しそうにニコニコし始めた。まるで魔法でも使ったかのようだった。次から次へと皆がアルベルト様に挨拶をする。アルベルト様も笑顔で挨拶を返している。


へえーと思って、アルベルト様の顔を見上げる。これが王族の人徳というやつなのだろうか?


アルベルト様の顔を見上げていると、アルベルト様は徐に私の肩に手を置いて、大きな声で言った。


「僕の将来の妻を紹介したい!」


皆が急に静かになってアルベルト様に注目する。

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